SCENE04 逃避行

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[Scene04] 

Scene Player:PC④


奏音 結愛 : 31+1d10 登場チェック (31+1D10) > 31+2[2] > 33


system : [ 奏音 結愛 ] 侵蝕率 : 31 → 33




[?????]



GMはにわ :

 ――キミは、走っていた。


 何かが、追いかけてくるから。


奏音 結愛 :

 いやだ、たすけて


 こわい


 こわい


 ずっと、ずっとはしってる


 逃げても、逃げても、……追ってくる


 しらない、そんなのしらない


 こわい、だれか、だれか……



GMはにわ :

 誰か。


 そう、誰か。助けてくれる、誰か。


 このおそろしいものから、救い出してくれるはずの誰かを――きっとキミは呼んでいた。


 おそろしいもの。


 それは、白くて


 そして、黒くて


 どうぶつのようで


 ヒトのようで


 貌のない、モノ。


 そういうモノから、助けを求めて走るキミに――


 手を差し伸べたのが、“誰か”だったのだろうか。



奏音 結愛 :

 逃げても、逃げても追ってくる


 たくさんたくさん、逃げて、逃げて、逃げて


 それでも『何か』は追ってきて


 にげても


 にげても


 また別の“モノ”が追ってくる。


 もう、壊れてしまいそうだった。



奏音 結愛 :

「しらない、『ばんどる』なんて、しらないよ……」


「もう、もう……いやだ……」


 何もかもを諦めそうになる。


 手を掴もうとして、その手を伸ばすことすら、こわくて。


 もう、逃げることすらも……嫌になって。


 その場に、へたりこんだ。



GMはにわ :

 ――叫んだ。そのひとが。


 キミに向かってか、或いは――


 ――膝を突いたキミの前に立った、髪の長いヒトに向かってか。



奏音 結愛 :

 思わず、目の前を見上げる


 目を見開いて、その姿を“記憶”する


 助けてくれた、その姿を。“忘れないように”


 目に、焼き付けた。



GMはにわ :

 ――それがキミの持った、唯一のピースだった。







[モラトリアム:河川敷]



GMはにわ :

 そうして、今度もキミは走っていた。


奏音 結愛 :

 河川敷、木が多く茂る場所へと走って逃げ込む。


 今日も、『こっちに来ないで』と重力で動きを止め、走って逃げる。


 後ろを振り返ってもいないから、きっとここで隠れていれば、大丈夫。


 追いかけてくるかもしれないから、茂みの中に隠れた。



色墨使いの少年 :

「あっれ……参った」


「見失っちったよ」


GMはにわ :

 総剃髪に鮮やかな服の少年が、ピカピカの頭をぴしゃりと叩いている。



奏音 結愛 :

“おねがい、こないで、気づかないで”


 息をひそめて茂みの中で、動かないようにじっとする。


 無意識に、クマのぬいぐるみを抱きしめる力が強まる。


 “おねがい、かえって……このまま、かえって……!”



色墨使いの少年 :

「取って食おうって訳じゃないんだけどなあ」


「バンドル渡してくれりゃいいってのに。おーい、何処さ行っただオーイ」


 茂みをかき分け、軽口と足音が近づいてくる。



奏音 結愛 :

“動いちゃダメ、動いたら気づかれちゃう……!”


 近づく足音を耳にしながら、目をギュっとつぶる。



色墨使いの少年 :

「大丈夫、ホトケさんが見てんべ、悪さはしねーって……」


 がさり、キミを覆い隠す伸び放題の生垣に手がかかる――



色墨使いの少年 :

「――あっ、やべ」



奏音 結愛 :

 ビクリ、動きそうになる身体をどうにか止める。


GMはにわ :

 キミの我慢が功を奏したか、


GMはにわ :

 ごう、と音が通り過ぎ、禿頭の少年が飛び退くのがわかった。



獣身使いの少年 :

「――探し物かい?生臭坊主くん」



GMはにわ :

 さらに知らない声がする。禿頭の少年に語り掛けているのがわかった。



色墨使いの少年 :

「臭くはねーべ」


「シャンプーにゃ気を使ってんだ」



獣身使いの少年 :

「それは失敬。悪事の匂いが向こうの通りまで漂ってきたものでね」


色墨使いの少年 :

「いやいやヒト違いは誰にでもある…ってことで…」


「帰っていい?」



獣身使いの少年 :

「ノーだ」



色墨使いの少年 :

「そうかいッ!」



GMはにわ :

 轟音。幾度かの衝撃のあと、二人の少年の声は遠ざかっていった。



奏音 結愛 :

 びく、また衝撃に体を震わせて


 遠くなる声に安心すると、お腹の音が鳴った。


奏音 結愛 :

「………おなか、すいた………」


 安心してへたり込む。


 空を見て考える。もうすぐ『ろぐあうと』の時間だ。


『ろぐあうと』の時間になったら、お兄さんやお姉さんたちはみんな帰っていく。誰にも襲われない。


 そうして、ようやっと安心できる。


 食べられるごはんがある場所を探して、寝るところを探す。


 お風呂に入ることができる場所が見つかったら、とってもうれしい。


 ずっと、この空間にいる。


 どこに行くのも、こわいから。


 襲われない時間がある、それが一番、安全な場所で、落ち着ける場所だった。


 この、『ろぐあうと』ってボタンを押したらどうなるんだろう、とは思う。


 でも、ボタンを押した後誰かに襲われたら?


 全部がこわくて、一歩を踏み出せない。



奏音 結愛 :

 ポケットにある『ばんどる』に触れる。


 これを渡したら襲われないのかもしれない。でも、これを渡したら、もっと大切なものがなくなってしまう気がして。


 でも、自分には戦う力はない。だから、逃げて逃げて、逃げるしかないのだ。


 ………あの人に、会えたらいいのに。


 ぼんやりとしか思い出せないけれど。そんな相手のことを少し考えた。



GMはにわ :

 おぼろげな像。


 顔も、声も、よく思い出せないけれど。


 けれど、ちゃんと覚えたから。


 会えれば、きっとわかる。キミには確信があった。


 そしてそれは――きっと、正しかったのだろう。


 ログアウトの時間を前に、キミは感じた。


 この場所で過ごし続けて、何度かあった――『誰かが来る』時の感覚。


 それを、近くに感じ取ったのだ。


奏音 結愛 :

「…………!」


 どうしよう。


 一瞬、躊躇する。


 前も同じように感じて、見に行ってみたら、違う人で。


 運悪く見つかって、襲われることもあって。


 でも、それでも、もしかしたら、って


 今回こそ、もしかしたら……?



奏音 結愛 :

 ぎゅっ


 クマのぬいぐるみを強く抱きしめる。


 ちがうかもしれないけど、行ってみよう。


 もし、違ったら……何とか、また逃げよう。


 そう思って、感じ取った方向に歩き出した。そのうち、少し小刻みに走り出す。



GMはにわ :

 覚えたピースとぬいぐるみを抱えて、キミは向かう。


GMはにわ :

 ようやく出会う、その場所――日篭神社へ。




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舞台裏


奏音 結愛:

 ひぃぃこわい。

 さっきまでキャッキャって観戦してたのに……。

升武巳:

 うふふ

 これからぴあッチとのマスコットキャラの生き残りをかけたバトルが……(?)

奥津城 夏夜:

 どちらがゆるキャラ大賞に輝くのか




※「おなか、すいた……」のあたり


升武巳:

 え〜〜んもう好きな人たち〜〜かわいい

月見里 理人:

 ごはんいっぱい食べようね……

奥津城 夏夜:

 ……ふむ? >食べられるごはんがある場所を探して、寝るところを探す。


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