SCENE03 ある一人の教師
GMはにわ :
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[SCENE03]
Scene Player:PC③
[モラトリアム:スクールエリア]
GMはにわ :
――またある時、朽ち果てた住宅街の一角。
紙使いの少年 :
「――チッ、ダリいハナシ」
メモ紙の紙吹雪を体に舞わせる少年が、ざざっと地面を退って悪態をつく。
紙使いの少年 :
「いちいち出張ってきやがる――放課後にご苦労だなァ?」
「残業代出るもんだったかね――教師ってのは」
月見里 理人 : 1d10 登場侵蝕 (1D10) > 5
system : [ 月見里 理人 ] 侵蝕率 : 36 → 41
月見里 理人 :
「なに、非行に走る生徒を諫めるのも教師の務めでしょう」
足下に落ちる紙吹雪、つい先程まで殺到していたそれらは、今や見た通りの紙屑に過ぎない。
「さて」
「どうしましょうか?」
得物は無い。月見里理人にとって──二重の意味で──眼前の少年は現状の敵でないからだ。
紙使いの少年 :
「愛の鉄拳てかァ? 今日日流行らんぜ、そういうハナシはよ」
月見里 理人 :
「ええ。僕もあまりそういうのは好きではないのでね」
紙使いの少年 :
言いつつちらと腰にいくつもぶら下げた分厚いメモ帖に目をやる。
紙使いの少年 :
「(二冊は残ってる――が)」
「そうかい。俺としても無駄に紙屑増やすのもエコじゃねェ」
月見里 理人 :
「それは良かった。派手に“散らかした”物も持ち帰るといいでしょう。幸い今回は駄目にはしていませんから」
紙使いの少年 :
「心配いらねェ再生紙だ」
「――次はねェぜ、『rat』」
“君の傍にいる”彼女へ吐き捨てて、少年はそこで姿を消した。
月見里 理人 :
「そういう問題では無かったのですが……まあ良いでしょう」
とん、と革靴の踵で地面を鳴らすと、周囲に散乱した紙がふっと消え。
それと同時に振り返る。
拳銃使いの少女 :
ふう、と息をつき、
「――助かったよ、先生」
月見里 理人 :
「治るとはいえ、あまり無茶をして欲しくは無いのですがね。貴女も、彼も」
拳銃使いの少女 :
「私にその気はないのだけれど、モテてしまってね」
肩を竦めて見せるのは、ユーザーネーム『rat』――キミがこの”ゲーム”に参加して早い時期から接触してきた参加者である。
勝ち残りに積極的でない一人であり、
拳銃使いの少女 :
「まあ、少し逸ってしまったかもしれない。聞き取りくらいはさせてくれると思ったのだけど――」
「――探偵っていうのは、この頃はあまり信用されない肩書きらしい」
拳銃使いの少女 :
このゲームの真実を調べ回る、“高校生探偵”――を名乗ってみせた者だった。
月見里 理人 :
「まあ、社会的信用度の話であればそうでしょうね?」
「ともあれ、話し合うにも安全は確保してからでなくては」
その言葉に真っ向から反するように、“ゲーム”での介入を続けている事は、言うまでもない事実ではあるが。
拳銃使いの少女 :
「多少気をつけよう」
月見里 理人 :
「取り返しが付かない事態になってからでは遅いのですがね。まあ、今回はその言を信じましょう」
「黙って安全地帯で待っていなさい、等と言った所で聞き入れてはもらえないのでしょうし」
拳銃使いの少女 :
「真実しか語らないよ、この口は」両方の言葉に一つで返してみせて
拳銃使いの少女 :
「そもそも先生に用があったんだ。学校でひとつふたつやり合えば、まあ、こうして一挙両得ということで」
拳銃使いの少女 :
悪びれず言ってみせて、「それで」
月見里 理人 :
「まったく。要件は?」
拳銃使いの少女 :
「返事を聞きに」
「正式な
月見里 理人 :
「返事は前と同じですよ」
月見里 理人 :
「僕は、この“ゲーム”について誰かに一方的に肩入れするべきではないと考えている」
「特に、荒事に関しては」
「情報交換、という点ならイエスと答えましょう」
拳銃使いの少女 :
「つれないな――貴方も調べているんだろう、この“ゲーム”……」
月見里 理人 :
「ええ」
「大人の仕事です」
拳銃使いの少女 :
「――そして、あの愛すべき“ぴあッチ”についてもだ」
「アレが何故私達を古ぼけた箱庭に閉じ込めて鬼ごっこに精を出させるのか──、一刻も早く探り、知り尽くし、暴きたてる必要がある」
月見里 理人 :
「ええ。しかしだからこそ、僕は事を急いてはいないのです。解決ばかりに気を取られ、手の届く命を救えないというのは、あってはいけない」
「つい先程のようにね?」
拳銃使いの少女 :
「……。大人になると、皆耳の痛覚を責め立てるのが得意になるのかな」はあ、とため息をついて
月見里 理人 :
「聞き入れる耳があるというのは美点だと僕は思いますがね」
拳銃使いの少女 :
「聞くだけならね」けだるげに返して「入れるかどうかは脳の仕事だ」
「見事にフラれたな――いいよ、引き続き
月見里 理人 :
「ええ。『正義の味方』など気取る積りはないですが、これが大人の責任というものですから」
「前途ある子供は守らねばならない。ええ、もちろん貴女もです」
拳銃使いの少女 :
「責任ね……まあ、守ってもらったのは確かだ。反論はナシにしておく」
期待はしていなかった、とばかりにかぶりを振ってから
拳銃使いの少女 :
「――本題だ」
「以前話した通り、この“ゲーム”の参加者――〈マージナル〉は、この一か月で減ることはなく、むしろ徐々に増えている」
「アプリの表示を信じるなら、参加者数の上限はおそらく12名」
「うち10名のユーザーネームが登録済みだ」
月見里 理人 :
「残り2人が、じき引き入れられると」
「そういうことですね」
拳銃使いの少女 :
「残った可能性はそう言っている」
頷いてみせて。
月見里 理人 :
「……不利ですね」
月見里 理人 :
「早めに接触出来れば良いのですが」
拳銃使いの少女 :
「朗報だよ、
「前に言った通り、“途中参加”者のペースやぴあッチの言動から、次の“追加”日を割り出してきた」
返事によっては手土産にするつもりだったけど、と付け加えて、一旦君の顔色を見る。
月見里 理人 :
「ふむ」
「良いでしょう。その二人はこちらで対応します」
拳銃使いの少女 :
「ありがとう。新しい友達になれそうなら紹介してほしい」
月見里 理人 :
「ええ。首尾よく事が済めば、職員室で機会もあるでしょう」
拳銃使いの少女 :
「こう見えて少なくてね――よろしい」
拳銃使いの少女 :
「――いくつかのノイズへ、さらにいくつかの手がかりを掛け合わせて取り除いて。そうして残った可能性はこう言ってる」
「今日このあとだ」
拳銃使いの少女 :
最速ではね、と付け加えつつ、用は済んだとばかりに立ち上がる。
月見里 理人 :
「……全く」
軽くため息をついて、去っていくのを見送る。
拳銃使いの少女 :
「――貴方の仕事が上手くいくよう願ってるよ」
なんだか知らないけどね、などと言いつつ、ratはさっさと去っていった。
月見里 理人 :
「さて」
「……残業の時間ですね」
GMはにわ :
仕事のはじまり――あるいは、続き。
それが、迫ろうとしていた。
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舞台裏
奥津城 夏夜:
最強すぎる。
升武巳:
ブレないぜ 揺らがないぜ かっこいいぜ
奏音 結愛:
そりゃこんな先生生徒から大人気だわよ……のかおをしています。
奥津城 夏夜:
強火の片思いしてる子がいそう。
月見里 理人:
顔が良くて文武両道。しかも異能バトルもできる。
升武巳:
すごい! 教師の鑑!
奏音 結愛:
すごい!
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