SCENE02 雷の残響

[SCENE02]

 Scene Player:PC2



[モラトリアム:アーケードエリア]


GMはにわ :

 登場侵蝕どうぞ~


升武巳 :

 はーい


升武巳 :

  1d10 登場 (1D10) > 2


system : [ 升武巳 ] 侵蝕率 : 30 → 32


GMはにわ :

 ――崩れ、廃墟と化したアーケード街に、二つの影が舞っている。


氷刀使いの少女 :

「ぐ──っ」


 かたや、右手に薄氷、左手に砂塵の刃を携えた少女。


升武巳 :

「は〜っ、辛気臭い顔だな、おい」


 かたや、その辺で拾った鉄パイプの少年。

 引き摺って近づけば、金属が床を擦る音が断続的に響く。


「どうせやるんなら、楽しまないと損だろ」


「ほらもうちょっと愛想よく笑えね〜の?」



氷刀使いの少女 :

「く、そ――なんで」


升武巳 :

「なんでって言ってもなあ……なんででしょーか?」


升武巳 :

 挑発するように言って、くいくい、と攻撃を煽る。


氷刀使いの少女 :

「わけわかんないから言ってんしょ――っ!」


 左の氷刀を投げ上げ、右の砂刀で自ら両断する。

 すると、手品のように氷の刃は二つに別れ、四つに別れ、見る間におびただしい剣群と化す。



「なんで――」



「――なんで“こんなコト”できんのよ、アタシはぁっ!!」



 叫びながら砂刀を振り下ろせば、氷剣群は一斉に、霰のようにキミの元へ殺到する!



升武巳 :

「あはは。正解」


 襲いかかる剣群に裂かれる肌を厭わずに駆け出す。


「“分からない”だよな、分かるぜ」


 大きく獲物を振り上げる。


 ひとは天から落ちる光を、いかづち、怒りに振り下ろされる槌と呼んだ。

 ならば今稲光るこの怒りは、誰に向けられたものか。


升武巳 :

 鉄パイプに雷が落ちる。

 バチバチと弾ける光をそのまま、力強く打ち込んだ。

 疾る。氷の群れの間を抜け、溶かし。彼女へと到達する。


升武巳 :

「デッドボール!」


 指をさして。


「でもこれ、プレゼント・ゲームなんだよな」



氷刀使いの少女 :

「が、っ………」


 一撃、ファストフードショップの看板に激突した少女の手から、砂刀が離れて塵に還る。


「い、痛……………クソ痛ぁ……………っ」


升武巳 :

「うんうん、痛いよな。俺もー」


 トコトコ。少女の方に近づく。


「で、これ俺の勝ちってことでいい?」


 じ、と伺う。


氷刀使いの少女 :

 少女は、生涯感じたこともないほどの痛みに震えていた――云千万の電圧、通常の人間ならのたうち回る前に事切れているはずのショックから、どういう訳か息が残ってしまっているから。


 だから近づいてくるキミの足音に、当然竦み上がって。



「――い、いいっ、いいからっ」


 ポーチの中を掻き回して、そこから取り出した――何の変哲もない、キーホルダーをキミへ投げてよこした。



升武巳 :

「え? まだやる?」


 鉄パイプを振り上げるが、彼女の怯えを確認して、その腕を降ろす。


「ああ、やらない? よかった〜」



氷刀使いの少女 :

「そ、それ――〈バンドル〉って、それっしょ」


「それがあれば、いいんしょ……っ!」


升武巳 :

「そうこれ」


 バンドルもらった!

 落ちたそれを拾い上げる。



[BANDLE MOVED ?⇒?]



氷刀使いの少女 :

 少女は安堵を一瞬見せ、回復し始めた身体を起こしてキミに背を向けた。


升武巳 :

 目を細め、バンドルの表示を眺める。

 去る背中を一瞥するも、興味が冷めたように視線を戻した。


氷刀使いの少女 :

「――イカれてるっしょ」


「この“ゲーム”も、アンタも――!」


 吐き捨てて、少女は這う這うの体で姿を消した。


升武巳 :

 その言葉は聞こえないふりをする。

 バンドルを握りしめて、それからポケットにしまいますね。


 自身の怪我の手当てをしないといけないな、とか考えながら、おうち帰ろうとしてるところです。ドキドキ。


GMはにわ :

  OKです、では。


GMはにわ :

 廃墟の街に、再び静寂が戻った時。

 キミのスマートフォンが通知音を鳴らす。


升武巳 :

 あれ? なんの通知だろうかと確認します。よいしょ。


??? :

『今日のトレードタイムは終了です!

お疲れ様でした!』


??? :

 通知メッセージと共に、「ログアウトする場合タップ」の文字が続いた。


升武巳 :

 いつものようにタップしましょう ぽち


GMはにわ :

 では、そろそろ慣れ始めた浮遊感と共に、キミは非日常の空間をあとにする――


 ――そういう異能の戦いが、続いている。



GMはにわ :

 もう一か月になるだろうか――決まった時間になるとスマートフォンが鳴り、“ゲーム”が始まり、また決まった時間になるとスマートフォンが鳴る。

 それの繰り返しだった。


升武巳 :

 疲労感を道端の小石と一緒に蹴飛ばしながら、帰路につきますね。


升武巳 :

 最初は訳がわからなかったし、今も「わからない」部分は多いが、やるべきことははっきりしている。


升武巳 :

 少女からバンドルを奪った時のことを思い出す。あれからも戦いは続いている。

 デスゲーマーはつらいぜ〜〜!


GMはにわ :

 ではそんな多忙なデスゲームライフを送るキミに、



 おい、と声がかかる。




升武巳 :

 何だろう? 声のした方を振り向きます。



■■■■■ :

 振り返った先にいるのは――なんのことはない。

 キミに最近何度も話しかけて来る、名前も知らない男子生徒だった。



升武巳 :

 知らないひとだ。



■■■■■ :

「機嫌が良いな。もう帰りか」


升武巳 :

「ん? そう見える? 帰るとこってのは、うん。あってる」とことこ


■■■■■ :

 トボけた態度に、男子生徒はいまいましげなため息をつく


「――本当に、戻る気が無いんだな」



升武巳 :

「何が? どこに?」


「というか、最近よく話しかけてくるけど誰?」


「話が済んだなら、帰っていいか?」



■■■■■ :

「ふざけるなよ、お前……ッ!」


 掴みかかりかけた手、それを自分で見て、

 思いとどまったようにぶらりと垂らす。


升武巳 :

 きょとり、としている 怪訝そうに眉根を寄せて。


升武巳 :

「何? 大丈夫?」どうしたん? と不思議そう


■■■■■ :

「何なんだよ」


「何もかも、忘れたみたいに……」


 見知らぬ少年は、何度も見せた様々がないまぜの表情をまた見せて、言った。




■■■■■ :


「――■■■と」


「――■■は」




GMはにわ :

 頭痛。


 彼がその名前を出すと、キミの頭が悲鳴を上げる。


 誰か知らない名前。記憶に残りもしない響き。


升武巳 :

 もしかして、何か知ってるひと?

 そんな言葉が口を吐きそうになったかもしれない。ついさっきまでは。


 襲う頭痛。


 心臓が早鐘を打って。動悸が激しくなって。


 その知らない名前の響きを聞いた。



GMはにわ :

 ガンガンと、頭の中で反響するような。


 ただ、いつでもそのふたつの名前の響きは、


 にわか雨に、よく似た音をしていた。



■■■■■ :

「――あいつらは、お前に……!」


升武巳 :

「やめてくれ!」


 訳も分からないまま、雨の音がする。頭が痛い。

 ノイズのような雨音が酷く優しくて、心を乱すそれが不快で。焦燥感が募る。


「その話は、やめてくれ……」


 何が何だか自分でも分かっていない。けれども、ダメだ、と思う。


■■■■■ :

「……………」


「……そうか、悪かったな」


 少年は言って踵を返した。


升武巳 :

 その背中を呆然と見送ってしまう。


 しばらく、ぼうっとしていた。途方に暮れていたと言ってもいい。

 それでも足は動いて、気付いた頃には家に着いている。


 耳に残る雨音を振り切るように玄関の扉を閉じてターンエンド(?)です。


GMはにわ :

  OKです



GMはにわ :

 ――だから、キミは戦うのだ。



 優しい雨音が、キミを焦かして仕方ないから。



 ゲームは――《プレゼント・ゲーム》は、そういう戦いなのだから。





 ――――――――――――――――――

その頃の雑談タブ


奥津城 夏夜:

 いやかっこいいんだよ……。

奏音 結愛:

 それです……。

GMはにわ:

 異能バトル(興奮する患者)

奏音 結愛:

 もう既に語彙の殴り合いが発生している気がする……

 最高……患者さんそのまま治療しなくて大丈夫ですからね(?)




※「デッドボール!」あたり


奏音 結愛:

 デッドボールなんだ????

升武巳:

 身体に当たったらデッドボール(がば野球)

奥津城 夏夜:

 ピッチャー返しでは。

升武巳

 そうかも……。

 デスゲームとデッドボールで語群が仲よさそうだから使ってしまった(てへ)


 ――――――――――――――――――

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