SCENE05-1 それはパンドラの匣
GMはにわ :
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[SCENE05 プレゼント・ゲーム]
Scene Player:PC①
GMはにわ :
あ、このシーンについては登場侵蝕の必要はありません 覚醒スタート特権を忘れない
奥津城 夏夜 :
おっと、了解。
[上御久里:梳町]
GMはにわ :
夢見がよくなかった、気がする。
そのせいかキミは起きるのが少し遅れ、ハルはキミが訪れるまで時計も見ずにのんびりが常。
つまりは、遅刻しそうなのだった。
奥津城 夏夜 :
伸ばした手が虚空に泳いでいるさまを寝ぼけた目で認識して、はて、自分は誰に手を伸ばしたのだったか……と考えて。
「…………あれ? 目覚まし時計が」
卓上で転がった目覚ましの時間を確認して、顔がこわばり。
慌てて朝の支度を始める。自分が寝坊したとあっては、ハルはどうなったのだろう。
そうして準備を終えて、彼女の家まで飛ぶように迎えに行く。
奥津城 夏夜 :
「──ハル、急いで!」
GMはにわ :
ハルの家は、花屋だ。この梳町を少しくだったところにある。
当然、営む両親の朝は大変に忙しく、寝起きこそ良いが一人娘の面倒を見るのは苦労であり……。
要は、キミに任せきりなのだった。
空下ハル :
「な゛んで起こしてくれなかったのお……」食パン咥えて
GMはにわ :
寝起きの良いのが数少ない取り柄であるハルが、今日に限ってキミが部屋に入るまで布団に包まっていたのだ。
奥津城 夏夜 :
「私だって寝起きが悪い日もたまにはあるって……ハルだってそうでしょ」
「ああ、寝癖がはねてる」信号待ちの時に櫛を出して整えてやる。
空下ハル :
「あたしは起きるの得意だもん……ね……」言いながら半分寝ぼけて梳かしつけられている。
奥津城 夏夜 :
「昨日夜更かしでもしたのかな?」
空下ハル :
「ギターは弾いてたけど……」
奥津城 夏夜 :
「熱が入って遅くまで起きてたとか……、と、これでよし」
空下ハル :
「おぼえてない…」パンをもごもご呑み込んでから。
「えへへ……ありがとー」
奥津城 夏夜 :
「はいはい。さ、急ごう」
空下ハル :
「はあい」バス間に合うよねえ、とか言いながらのたのたキミのあとについていく。
奥津城 夏夜 :
ふらふらしてるハルの手を引いていく
空下ハル :
されるがままにひっぱられていって
GMはにわ :
結果として、デッドラインの便には間に合った。
キミたちの通う御久里坂学園高校は梳町を下って、隣の丘をまた登った先にの住宅街にある。歩きや自転車でいくのはかなりしんどい。
奥津城 夏夜 :
「何とかなった。ハルが頑張ったからだね」ハルの汗をハンカチで吹きながら微笑む。
空下ハル :
「えへへ……カヤが足早いからだよう」
キミと違い、ハルは運動神経が壊滅的だった。
奥津城 夏夜 :
バスの席に並んで座り、ともに一息。
空下ハル :
ふー
奥津城 夏夜 :
顔を見合わせて笑い合い。
……その頃には、夢のことなんてもう殆ど覚えてはいなかった。
空下ハル :
「カヤは、あたしに甘いねえ」
奥津城 夏夜 :
「仕方ないよ、ハルだから」
──そして、私だから。
空下ハル :
くすぐったげに一頻り笑ったハルは、息が整い次第、いつもの通りに他愛のない話題をふらふらと語り始める。
いつも尽きない話題は、ストリートライヴのことだ。
ハルは毎日のように駅前の路地でギターを弾き語っている。
そこでどんな曲を歌ったとか、どんなお客さんがきて、どんなことを言ってくれたとか。
そういう話をいつもしたがった。
奥津城 夏夜 :
微笑みながら、うんうんと聞く。
実際のところ暇さえあれば彼女の歌を最前列で聞いているとは言え、常に一緒にいられるわけでもない。
だから、自分のいなかったときのことは、聞いておきたい。
もしスカウトを装った危ない男に声をかけられていたりしたらコトだから。
奥津城 夏夜 :
(その時は殴り込みだな……)
空下ハル :
「何か言ったー?」
奥津城 夏夜 :
「何にも?」
空下ハル :
「そっかあ」ハルは話を続ける。「でね?」
「そのお客さんがね、話してたんだ。聞いた事ある?」
「“なくしものが見つかるアプリ”」
奥津城 夏夜 :
「……GPSか何か?」
空下ハル :
「そうじゃないよう」たぶん…
空下ハル :
「なくしちゃって見つからないモノとか、何処にやったか忘れちゃったモノとか、そういえばあれ何処にしまったっけ、って思ったらなくなってた……みたいなのとかあるよねえ?」
「そういうのを見つけてくれるんだって」
奥津城 夏夜 :
「ある……かな」ぼんやりと、そんな話をしたかなと
「でも眉唾だね。怪しい勧誘かもだよ」(殴り込むべきだろうか)
空下ハル :
「そんなことないよう、言ってたのあたしたちくらいの子だったし…」
奥津城 夏夜 :
「ハルは騙されや……人を信じやすいから」
空下ハル :
「ほぼ言ってるやん!」
奥津城 夏夜 :
「騙されやすいから」
空下ハル :
「言うやん!!!」
奥津城 夏夜 :
「それで? ダウンロードとかしてないよね? ウイルスとかあるよ?」
空下ハル :
「ううん。あったらダウンロードしたかったけど、そうじゃないんだって」
「それが欲しいひとのスマホに、気づいたら届いてるって言ってた」
「いいよねえ、あたしにも来ないかなあ…」
奥津城 夏夜 :
「そんなに探したいものがあるの?」
空下ハル :
「うーんとね……こないだピックがベッドの隙間に呑まれたし……」
「CDの中身入れ替わりまくって見つかんないのあるし……」
「あ、あと来週の……現国のプリント……」宿題の…
奥津城 夏夜 :
「どちらかというとそのそそっかしさを何とかするアプリが急募だね」
空下ハル :
「とりあえず月見里せんせに怒られないアプリ欲しいよう……」
奥津城 夏夜 :
「なくしたものが、見つかるアプリねぇ」
奥津城 夏夜 :
……ふと、数年前のことを考える。
自分の記憶の中の、ぼんやりとした欠落について
あの時のことを思い出せたら、自分の気持ちにも、もっと物怖じせず向き合うことができるのだろうか。
空下ハル :
「あー」
「カヤも心当たりあるカオしてるよ」
奥津城 夏夜 :
「そうかな」
空下ハル :
「してるよ。ねえ?」
空下ハル :
「あーあ、授業終わったらスマホに入ってたりしないかなー……」
奥津城 夏夜 :
「あったらますますウイルスだからね、それ」
GMはにわ :
――などと話していたのが朝のことで。
空下ハル :
「入ってるやん」
奥津城 夏夜 :
「そんな馬鹿な話……」確認して「あるね」
GMはにわ :
それが放課後の話。帰り道、鞄の底から端末を引っ張り出して電源を入れた時のことだった。
空下ハル :
「ホントに入れた覚えないよう……ええと」
「『Present』――――プレゼント?」
だよねえ、とキミにアプリタイトルを指してみせる
奥津城 夏夜 :
その瞬間感じたのは、
空下ハル :
「“届く”って言ってたもんねえ。だからプレゼントなのかな」のんきに
奥津城 夏夜 :
ぞわり、と背筋を撫でたその感覚は、
空下ハル :
プレゼントボックスを模したアイコンをしげしげと眺めている。
奥津城 夏夜 :
自分たちの日常が軋んだ音を聞いたような、そんな戦慄だった──
奥津城 夏夜 :
「……ねえハル。やっぱりこれは怪しいよ。きっとSNSかなにかを経由してウイルスに感染したんだ」
「ショップに持っていってチェックしてもらおう。うん、そうしよう」
空下ハル :
「えーっ、でもカヤ勝手にめっちゃ入れたやん、ウィルスバスター? みたいなやつ」スマホ買ったとき……
奥津城 夏夜 :
「新型のかもしれない。とにかく、何だか嫌な予感がする」
空下ハル :
「そうかなあ」
「でもウワサ通りだよね? ホンモノかも……」
「い、一瞬……さきっちょだけ……」
奥津城 夏夜 :
「駄目、それは色んな意味で駄目なやつだから」
空下ハル :
「やだーっ、月見里センセの真顔耐久やだーっ」
奥津城 夏夜 :
「貸して、何とか削除できないか見てみるから」と少し取り合いになる
GMはにわ :
タップしようとするハル、取り上げようとするカヤ。
揉み合いの結末は一瞬で訪れた。
空下ハル :
「あ」
奥津城 夏夜 :
「あ」
GMはにわ :
直後、キミたちを襲ったのは架空請求やブラウザクラッシャーではなく――
強烈な、浮遊感だった。
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その頃の雑談タブ
升武巳:
てえてえ 守りたいのう……。
奏音 結愛:
でも升さんきっと殴りかかってくるんですよね……?(震え)
升武巳:
ポコポコ バイオレンスなので……。
男女平等バット!
老若男女も問わないので……。
奏音 結愛:
ビク
奥津城 夏夜:
怖がっている子もいるんですよ!(がば
空下ハル:
このPT 相対的に老と若と男と女が揃っている
奏音 結愛:
すごく冷静に、月見里先生老にしちゃあかん…!ってかおをしました
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