明かされたTruth Ⅰ
「ふ、ふふ……まさか、こんな方法で見破られるとは思いませんでしたよ」
自身の敗北が決定的なものとなっているのに、ニライカナイは日菜のことを強く睨みつけていた。彼にとっては、それだけレボリューショニストというものが大きかったのだろう。もしくは、シャングリラが、だろうか。
「シャングリラにとって、貴方みたいな信奉者はいい駒だったみたいですね。あの人は、私と同じで、ただ全てを破壊したいだけの人ですから」
「……その侮辱、今は真実として受け止められるかもしれませんねぇ……全く、腹立たしい」
ニライカナイからは、既に戦意が消えている。僕はエリーからよくわからない成分でできた、やけに頑丈な縄を貰ってニライカナイの身体を縛っていく。本当によくわからないのだから、仕方ない。
本部からほど近い場所でニライカナイを捕えたので、運ぶのは簡単だが、今は本部も忙しい状況の中でこんなものを連れて行って、どうにかなるのだろうか。まぁ、それは下っ端の僕が考えることではないか。
「それにしても……貴方のようなイレギュラーがいるとは、シャングリラも想定していなかったでしょう」
「それは、僕のことを言っているのかな?」
「そうですよ。貴方のその強力無比なギフトと、人を惹きつける性格は、シャングリラにとって……レボリューショニストにとってもっとも大きな脅威となる。私は、そう確信しましたよ」
仮面を外されたのに、ニヤニヤと笑いながらニライカナイは僕のことを評価してくれた。頼んでもないのに勝手にベラベラと評価してもらわなくても結構なんだが、その口ぶりから察するに、なんとなく僕はレボリューショニスト内では警戒する人物として指定されている気がする。
「蓮、さっさと本部に行きましょう。ここじゃあ電話も繋がらないわ」
「そう、だね……さっさと行こうか」
椿たち青の騎士団が総がかりで索敵と殲滅を行っている中、多分僕たちが一番乗りで幹部を倒したと思うんだけども……どうだろう。青の騎士団も化け物揃いではあるからな。
「……因みに、青の騎士団が総がかりで周囲に散らばっているのはレボリューショニストからすると好都合なんですよ」
「詳しい話を聞きたいけど……それは本部でお願いするかな」
「その本部が、無事だといいですねぇ……」
ニライカナイのやけに含みを持たせた言葉に、なんとなくイラっとする。当然、僕だって本部が最初に狙われるかもしれないとは思ったが、それでもあまり心配していないのは、ドゥアトさんとエレボス団長が残っているからだ。あの二人がいるのならば、なんとかなるはずだ。
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