Gangの最期 Ⅲ

 僕との戦いによって倒されたレオーネは、すぐに青の騎士団によって回収されていった。ビアンコの大半の幹部が青の騎士団との戦いに敗れて捕縛され、実質的にビアンコは壊滅状態になった。これだけの被害を受ければ、イタリア本国の方でもビアンコの動きは鈍くなるだろう。

 結果的に青の騎士団に助けられたエレオノーラだが、僕が無謀な行動に出なければ見捨てていたという点を考えてなのか、信用しないという回答を団長であるエレボスに突き付けていた。エレボスはそれを受け取んて、ニヤニヤと笑っていたが、何故なのかは僕は知らない。


 色々なことがあったが、これで当初の目的であった春木高校周辺にモンスターが多く出現する原因を解決できた訳で、僕も青の騎士団に復帰することができたので一件落着だ。


「蓮、今日も一緒にご飯食べましょう?」

「はぁ!? 蓮は私と一緒に食べるんだが? 邪魔をしないでほしいね」

「はっ。負け犬が良く吠えるわね……蓮は私の大切なパートナー、なのよ」


 一件落着、だったはずなんだけどなぁ。

 ビアンコの問題が解決したことで、イタリア本国へと帰っていくと思っていたはずのエレオノーラは、何故か日本にそのまま残って春木高校に在籍している。


「なんで、エレオノーラは日本に残っているの?」

「え? だって私は貴方のパートナーですもの。青の騎士団は信用できないけど、ビアンコは完全に壊滅した訳じゃないし、日本のレボリューショニストはイタリアにとっても危険だから日本に残るって言い訳してきたわ」

「言い訳? 自分の組織を随分と安く考える様だね。蓮、やはり私にした方がいい!」

「まぁ……私はロッソと蓮のどちらを選ぶと言われたら、苦渋の選択だけれど、蓮を選ぶわね。あなたと違って」

「私だって青の騎士団よりは蓮に決まっている!」

「ヒートアップしないで」


 実際にエレオノーラがなにを考えているのかわからないが、確かに僕はなんとなくエレオノーラとの相性がいい気がするので、残ってくれると言うのならありがたい話だ。


「と言う訳で、これからも日本に残って愛おしい貴方の傍に置いて頂戴ね、蓮」

「愛おしい?」

「はぁ!? 私情じゃないか!」

「うるさいわよ」


 椿がものすごく五月蠅いのを置いておくとしても、エレオノーラは僕に対して愛おしいという言葉を使った。こ、これは勘違い男として罠にかかった方がいいのか、それとも本当にエレオノーラがそう思っているのか。

 外国人特有の距離の近さも相まって、僕にはどちらなのかの判断が上手くつかない。とりあえず、この場は逃げ出そう。

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