第4話 元の私が過去世の私の行動で歪み始めた

シンクロニシティで接続する私とは連絡が常に取れていた。

あの人は現在、いつかの来世にいる。



「あなたの徳積みで、こちらの私が歪むそうだ。おっさんに聴いた。だから注意して動かないと、こちらの初期ステータスが変わってしまうのよ。今、あなたがお金もちを馬鹿にした罪で、来世の家のお金の量が変わっちゃったわよ。ちょっと貧乏になったわ。」



「何かをすれば、何かが返ってくるの。これを心理学では返報性の法則。宗教では因果応報というわ。覚えておきなさい。徳を積むことであなたは運命改革を行わないと。」


「結局、どの環境にいても、自分が変わらないと周りも変わらないし、ダメってことなんだね。というか、来世に影響が出るってことは、ハゲの人をハゲって馬鹿にすると、自分もはげやすくなるってこと?」


「ザッツライト。そういうこと。ブサイクの人の方が性格悪いでしょ。あれは美人をやっかんだり、ブサイクをブサイクと言った罰よ。批判したものが返ってくるのよ。これがこの世の道理。お母さんに教わらなかったの?その歳で。」


「まだ私、高校生だよ。しかも16歳。そんなおばあちゃんみたいなこと知ってる訳ないじゃん。」


「誰がおばあちゃんよ。花も恥らう16歳よ。こっちだって。」

と、脳内で会話していたら、領主の部屋の前までたどり着いていた。


「ん?早くお入りください。奥様。」

「じゃあ、入るわね。」

「待ってください。ノックを4回しなければ、ダメと何回も言ったじゃないですか。ちゃんとやってください。」

「それ、今日もやるの?」

「それが常識というものですよ。では、行ってください。」


そう言われながら、領主の部屋へ入っていった。

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