第3話 転生後のワタシVS執事
「よっと。」
こうして私は暗黒の中世の地域にタイムスリップした。
「探しましたよ。アナベル様。旦那様がお呼びです。」
執事らしき人がなんか言っている。
「わかったわ。今行く。」
「『早く来い。』とおっしゃっていました。」
「用事があるなら自分から来ればいいのに。」
「何を仰っているのですか?奥様。いいですか。旦那様が言う事は絶対なのです。第一あなたは旦那様の妻なのですよ。旦那様が仰ったことをそのまま聞いていれば良いのです。」
「なにそれ。どういう意味?夫婦なんだから対等でしょ。」
「あなたは旦那様がお金をあなたのご両親に支払ってあなたを買ったのです。あなたを気に入ったから。お金を出すほうが偉いのは当たり前じゃないですか?世の中は差し出す方が偉いのです。国王が領主に土地を与えて、領主が騎士に住むところを与える。その見返りに忠義として尽くすのです。世の中そうなっているのですよ。」
「はぁ?それでも私のことが欲しくて買った訳でしょ。私が嫌って言ったら聞かないと困るのは、私の旦那じゃん。」
「何を仰っているのですか?正気ですか?あなたが逃げれば、あなたの家族には借金が残るのですよ。あなたは大人しく言う事を聞いていれば良いのです。なんかいつもと様子が違いませんか?普段はそんなことおっしゃりませんのに。まぁ、しぶしぶ言う事をきいている雰囲気は漂わせても、領主様は全く気づいていませんが。」
「そういうわれるとそうね……。わかったわ。行けばいいんでしょ。」
「奥様。女性のくせにそのようなはしたない言葉遣いはおやめいただきたいものですね。」
「はぁ?なによ。それ?男女差別じゃない?」
「男女差別?差別とは位をはっきりと分けること。男が稼いでいるんだから、稼いでいる男に女が言う事を聞くのは物の理。道理というものです。」
「じゃあ、私も稼げばいいんでしょ?」
「奥様、失礼ですが、"女の癖に"なにができるんでしょうか?畑も男ほどは耕せない。税金も女のほうが安い。土地も守れない。稼げる訳ないじゃないですか?」
「はぁ?イライラさせることばかり言うわね。あなた。もういいわ。とりあえず旦那のところへ行けばいいんでしょ。」
「結局、感情論なんですね。これだから女は。わかりました。」
「ふん!!!!!!!!!あなた一言多いわね。」
「それは十分承知ですよね?」
かくして執事に埒が明かないので一旦負けて、私は旦那のところへ向かう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます