第2話 高校生の私が領主の嫁と入れ替わって

こうして転生することになった。

正確には前世の自分と入れ替わることになった。


「……転生するとき、現世の自分は過去世の自分が、現世の自分に憑依することになる。そのため、ある程度、事情は脳内コネクトしているから、事情は寝ればそれぞれの記憶にセーブされるが、伝えておきたいことがあれば、この転生空間でお互いに話すがいい。……」


と、おっさんの声が転送空間で響く。


すると見慣れない顔のでもなんとなく自分に似ているような少女と出会う。



「お願いです。私はあなたの過去世のアナベルよ。もうこの生活に耐えられないの。魂をすり減らして、生きていたら、おじさんの声が聞こえてきてね。ある領主の嫁に14歳の時に出されたの。うちの実家はお金が無くってね。それで私が若かったから嫁になったの。」


「でも生活がとにかく大変で、関わる人も多いし、旦那がとにかくめんどくさい。人にあまり関わらない生活がしてみたかったの。神様に『人と会わない暮らしがしてみたい』って願うと、神様の声が聞こえてきてね。来世で、『人と対して関わっておらずのうのうと暮らしている人がいる』って聞いたの。私、そういう生活がしたくてね。」


「そうなんだ。私で良ければ協力するよ。私も暇で暇で飽きていたところなんだ。この人生、毎日、同じことの暮らしでしんどくってさ。」


「私と真逆の生活ね。いいなぁ。羨ましい。そういう人生送りたいなって夢に見てたの。私はあなたの変わりたいタイミングでいいから取り替えっこしてしばらく暮らしましょ。」


「領主の嫁とかいい暮らしじゃない。わかった。最近、人間関係作るの面倒くさいって思ってたから、元から人間関係がある方がいいわ。」

「そうお互い頑張りましょう。」


すると、私はとあるお屋敷の庭に転生した。

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