エピソード5:鬼と妹と説明と
落ちてから数時間後…
僕は頭の後ろに柔らかいものを感じ目を覚ました
「だいじょうぶですか?」
(そうか…俺は穴に落ちたのか…じゃあこれは)
「ん〜…シエ姉?」
「あ〜…おねえちゃんならまだねてますよ?」
「え?じゃあ君は…」
そういったところで目の前のもやもやがとけた
僕は膝枕をしてもらっていた
そうわかった瞬間僕は飛び起きた
「え!?ノエラ!?」
「そうですよ?わたしこそが紫鬼才 乃江羅ですよ?」
「なんで穴の中に?」
「それは…」
「む?」
奥の方で声が聞こえた
シエ姉が起きたらしい
てか、シエ姉の寝かせ方雑じゃね!?
「はぁ…めがさめました?おねーちゃん?」
「おぉ!乃江羅!」
「そうですよ〜あなたのいもうとのかわいいのえらですよ〜」
「こんな時に冗談はよせ…」
(冗談て(苦笑))
シエ姉はまだ意識が不安定そうだ
その時僕はある違和感を覚えた
「あれ?怪我がない…?」
僕は上を見上げた、微かに光が漏れている
(あそこから落ちて怪我がないはず無いのに…)
「あぁ、わたしがなおしておきました!」
「え?どういう事?」
「…?つまりこうやって、スキルをはつどうさせて…」
そういった瞬間ノエラの右手から緑の十字マークが出てきた
「はぁ!?なんでスキルがあるの!?」
「む?乃江羅、なんでスキル持ってるんだ?」
「あ〜…じゃあここにいるけいいといっしょにはなしますね」
「まずスキルのことを教えてよ!?」
「はぁ…後で説明するから。今は乃江羅の話の方が重要だ」
「わかった…」
「で?乃江羅?」
「はい…わかりました。まず___
――――――――――
「てかんじです」
「おぉ!」
「そうだったのか…」
あのあと僕とシエ姉は、ノエラが気づいたら知らない場所にいた事、、穴に落ちた事、本が落ちていて読んだらスキルが発生してこれがゲームの中だと気づいた事、1週間ずっとここに居た事を聞いた
(ふむふむ…ん?)
「ちょっと!?スキルの説明は!?」
「あぁ…そうだったな」
「忘れてたの!?」
そのやり取りがあったあと僕はスキルの説明をしてもらった
「スキルっていうのはゲームに合ったのと同じ要領で働く力のことだ。だが発生のしかたはゲームと違っていてな?」
「はい?」
「魔導書という、紫色の本を読むことで発生するんだ」
「へぇ〜」
僕が説明を聞いていると、奥の方からノエラが本を持ってやってきた
「このほんのことですね?」
「そう!それだ!」
「これが…」
僕は本を開いてみた、だが…
「白紙?」
「あぁ!そうそう!一度使った魔導書は使えないんだ!」
「あー…そうだったんですね…」
今スキルが手に入ると思っていた僕は結構がっかりしてしまった
「まあそう気を落とすな!拠点の図書館にいっぱいあるから!」
それを聞いた途端すぐに僕は立ち上がった
「じゃあ!すぐに帰りましょう!」
「お...おう」
少し押され気味に返事をするシエ姉を横目に僕は上を見上げた
「絶対に出てスキルを手に入れてやるからな…」
「ボソッ…わたしはもうすこしここにいてもいいですけど…」
「む?乃江羅なんか言ったか?」
「いやなにも?」
その会話は僕の耳には届かず
ただ僕の目がギラついたのだけは感じた
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