第14話 領主に会う
ケインに連れられて領主の元を訪れた2人は、執務室に通された。
そこにいたのは、若く長い金の髪に青い澄んだ瞳が印象的な、美しい女性だった。
「急に呼び立ててすまない。私はカルカーンの領主、クリスティナ・フォン・カルランド。君が全、そして君は武仁だね。ケインから話は聞いたよ。先程ケインから報告を受けた厄災の芽の件で、急ぎ国王並びに他領地へ書状を認めたり忙しなくてな。執務室で申し訳ないが、まぁ座ってくれ」
そう言われ2人はソファに腰を下ろす。
「まずは昨日のホークアイの討伐、並びに今日は厄災の芽の発見と対処、カルカーンの領主として深くお礼申し上げる。君たちがいなければ、城門付近の人々やムツノハシ村の人々は無事ではなかっただろう......。これはそれらの功績に対する褒賞だ、受け取ってくれ」
クリスティナから差し出されたのは白い金貨1枚と金貨50枚だ。
2人はケインをチラリと見ると、ケインは、受け取れ、と言うかのように頷いた。
2人は「ありがとうございます」とお礼を言い受け取った。
「それから、ギルドマスターあたりから既に聞いているかもしれないが、謁見許可が下り次第、王都ボルディアへ出発する。厄災の芽を発見した君たちにも同行してもらいたい」
そう言われた2人は了承すると「出発日はまたケイン経由で言伝る」と言うクリスティナ。
立て込んでいる様なので、邪魔にならないよう早々に領主邸を後にした。
「2人ともお疲れ様! カルカーンに来て2日目にして領主と会って、緊張したんじゃないかい? それに国王へ謁見となると......君たちはそう言う星の元に生まれたのかな?......しかし疲れただろう、日も暮れて来たし今日はゆっくり休むと良い」
ケインが言うと2人はヘトヘトながらも「昨日の約束覚えてるか」と言いながら、絶品ボアステーキのある食堂にケインを引っ張って行った。
「昨日今日の付き合いだが、本当にケインには感謝している。僕たちだけじゃ冒険者登録も、厄災の芽の事後報告だって手こずっただろう......。王都ボルディアへの同行もあるし、それまではカルカーンを基点に動くから、良ければこれからもよろしく頼むよ」
そう全が話すと「一期一会も冒険者の醍醐味の一つだろ、こちらこそよろしく頼むよ」と、ケインは笑いながら言ってくれた。
それからも3人は話を弾ませながら楽しい一時を過ごし、ボアステーキで腹も膨れ、武仁がウトウトしはじめたところで全は「お礼だから」と会計を済ませると、見送るケインに手を振り宿屋に入った。
部屋に戻ると2人はすぐに眠りつく。
ーー翌朝
どちらが先ともなく目覚めた2人は「おはよう」と挨拶を交わすと、3日目のログインボーナスを得るため、ステータスオープンを唱える。
リンとズチは今日も特典内容を川の流れのようにさらりと告げると、風のようにふわりと去った。
3日目のログインボーナスを得た2人のそれぞれのステータスはこうだ。
全 レベル/59
称号/六神の加護(獲得経験値6倍.レベリング必要経験値100固定)
HP/590
MP/15900
腕力/590
腕力抵抗/590
魔力/15900
魔力抵抗/EX
知性/15900
感知/590
俊敏/590
運/EX
スキル
・六属性魔法
火、水、風、土、光、闇の初級〜特級魔法を使用できる。
・鑑定
目視したあらゆる対象の情報を看破する。
・収納
収納対象の時間を停止し無制限に収納できる。
・全知全能
素材さえあればあらゆるものを錬成できる。
装備
・賢者のローブ
賢者のみ装備装備可、物理攻撃をはね返す
武仁 レベル/63
称号/六神の加護(獲得経験値6倍.レベリング必要経験値100固定)
HP/16300
MP/630
腕力/16300
腕力抵抗/EX
魔力/630
魔力抵抗/630
知性/630
感知/16300
俊敏/630
運/EX
スキル
・必中
必ず狙ったところへ命中する。
・第六感
半径3km圏内の対象を正確に感知できる。
・収納
収納対象の時間を停止し無制限に収納できる。
・一網打尽
感知した任意の対象、または目視した任意の対象を攻撃できる。対象設定数は無制限。
装備
・勇者の剣
勇者のみ装備可、魔法すら切れる
3日目のログインボーナスでそれぞれ新しいスキルを獲得し、どうやらステータスは1レベル上がる毎に職業適正値は100、それ以外は10ずつ上昇するようだ。
2人は身支度を済ませると、今日もクエストをこなそう、とギルドへ足を運んだ。
依頼ボードを眺めてクエストを吟味すると、2人はCランクの探索依頼と、Cランクの討伐依頼が、聞いた事のある同じ場所で貼り出されているのを見つけると、依頼ボードから剥がし取り受付のマムに手渡す。
「全さん、武仁さん、おはようございます。今日はこちらのクエストですね。......あ! お2人はこの依頼を達成されますと、冒険者ランクがCランクへ上がりますよ!」
と言うマムは続けて、冒険者ランクの上げ方の一つとして、自分の冒険者ランクより一段階上のランクのクエストを3回成功させると冒険者ランクが上がる、と教えてくれた。
2人は別々でクエストを受注していたが、同行者はパーティとみなされるようで、昨日武仁が受注した街道沿いの調査のCランククエストは、全の実績としてもカウントされているそうだ。
「ではお2人のクエストの目的地はマグマ山ですね、受付ました。今日もお気をつけて。」
そう言うマムに見送られ、2人はリンから聞いたカルカーンの北に位置するマグマ山を目指して出発した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます