第3話 ステータスオープン


 「「ステータスオープン」」


 2人は改めてステータスを確認する。



智成 全ともなり ぜん


種族/人間 年齢/26

職業ジョブ/賢者 レベル/1


称号/六神の加護(獲得経験値6倍.レベリング必要経験値100固定)


HP/10

MP/10000

腕力/10

腕力抵抗/10

魔力/10000

魔力抵抗/EXエクストラ

知性/10000

感知/10

俊敏/10

運/EXエクストラ


スキル

・六属性魔法

 火、水、風、土、光、闇の初級〜特級魔法を使用できる。

・鑑定

 目視したあらゆる対象の情報を看破する。



勇 武仁いさむ たけひと


種族/人間 年齢/17

職業ジョブ/勇者 レベル/1


称号/六神の加護(獲得経験値6倍.レベリング必要経験値100固定)


HP/10000

MP/10

腕力/10000

腕力抵抗/EXエクストラ

魔力/10

魔力抵抗/10

知性/10

感知/10000

俊敏/10

運/EXエクストラ


スキル

・必中

 必ず狙ったところへ命中する。

・第六感

 半径3km圏内の対象を正確に感知できる。



 「これは......よくわからねえが......偏りすぎなんじゃねえか......?」


 武仁に続いて全が話す。


 「僕は魔法特化で、武仁は物理特化と言う感じだな......。これは2人でバランスを取れと暗に言われている気がする......。この加護って言うのは何か効果があるんだろうか? とにかく、この世界のことと、元の世界へ戻る方法と......聞くことはたくさんありそうだ」


 「なんにせよ、もっかい案内役ナビゲーターに面あ貸してもらうしかねえなあ」


 そう言うと武仁はズチを呼んだ。


 「おい、ズチって言ったか? 出てこいよ」


 再び和太鼓のようなメロディと共に、さきほどとは違い声だけではなく姿かたちもハッキリと顕現したズチは、筋骨隆々で勇ましい出立ちだった。


 『お呼びか、武仁殿!』


 身にまとう和装は上半身を露わに、腰回りには大きな綱が巻かれており鉄下駄を吐き仁王立ちに腕組み、と言うなんとも圧が凄い神の使いである。


 「お呼びか、じゃねえよ。ここはどこだ? 俺らは元の世界に戻れんのか? つうか、何でこんなとこに俺らは落ちてきたんだよ」


 そう武仁が言うとズチの表情は少し曇ったが、投げられた問いに一つずつ答えはじめた。


 『ここは武仁殿と全殿が住む世界とは、時も場所も空間すら相容れぬ世界。この世界では千年に一度、魔物が溢れ出す厄災が起こるのだ。その厄災に対抗する力はこの世界にはなく、六神の加護を受け、その力もってこの世界の人々へ力を付与する事が可能な聖人の器せいじんのうつわ、と呼ばれる者を異界より召喚し、厄災を鎮め......この地で天寿を全うしたのちに、神の使いとして神に支える存在へと昇華される。ただ、此度の召喚はこれまでに類を見ない事象が生じてしまった。武仁殿と全殿は聖人の器、すなわち召喚対象者ではなく、巻き込まれた迷いし落ち人。......これ以上は我にも答える事が出来ないのだ......』


 ズチは丁寧に説明してくれたが、2人は終始眉間に皺を寄せ、憤りを隠せない。


 この世界で完結しない厄災とやらに異世界人を勝手に巻き込む理不尽、更には巻き込まれて落ちたと言う事実、終いには帰還できず神の使いと化すとは......ならば今ここにいるズチは、そして全の案内役ナビゲーターのリンは聖人の器として召喚された存在なのか......?

武仁に続き全も案内役ナビゲーターのリンを呼び出した。


 「リン、出てきてくれ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る