第29話、誰よりも平和を望んだ、魔王、

その後、勇者ユダから勇者シンとレイが魔王との交戦の中死んだと虚偽の発表がされた、


[う、シン様、レイ様、あなたたちの犠牲は素晴らしかったです、]


民の悲しみの声が響く、ユダの表情は引き攣っている、気に入らないのか、


その後、魔王領は人間界と精霊界で折半された、


人間界の王族がユダとなり、貴族はユダとシン、レイの血を引くものとなった、しかしシンとレイの一族は呪いにより魔力量が高いことで不治病が初病する、これによりシンとレイの血が減っていった、しかし不治病は男なら2人の血を引くもので魔力が高くても発病しなかった、


なるほど、興味深いなー、


[レオン、少し落ち着け、]


歴史の真実を見たレオンの表情が固まっている、魔力が高鳴り、周りにプレッシャーを与える、


[ライト貴様もユダの血を引くものだ、俺たち魔族に戦争を仕掛けさせたものの血を引く、]


これはまさか今回の主人公役はまさか、


[すまない、レオン]


ライトが魔王に頭を下げる、これで魔族の恨みは消えないでもレオンの怒りが少しでも、冷静にまだ歴史の真実は終わっていない、


その後の世界はマイナスがプラスに向かっていった、人間も精霊も肉体労働は全て魔族を奴隷とし働かせた、この事実は記載されていない、


魔族を今事実上治めているのが、元魔王軍四天王ヒデルバンだ、


魔族は増えるどころか減っていった、しかし魔族は信じていた魔王の復活を、


[ライトよ、貴様この状況をこの真実を見てなお俺に人間への報復は許さないと言うのか、]


[レオン、戦いはもう終わった、この中で第三次人魔大戦をすると言うのか、どれだけの被害が出る、そんな必要はない、この平和な世界で、]


[なら、ならせめてこの事実を人間と精霊どもに言えよ、本当のことを、お前が助けた奴らも本当なら死なないはずの罪のないただの英雄、教えろよ伝えろよ、魔族は平和を望んでいたと、人間がゴミでクソだと、魔族は尊いのだと!]


レオンの声は絶望と悲しみ全てが乗っかっている、今まで全て魔族の責任とした、人間のグズさ、そうおそらく第二次人魔大戦はこの人間と精霊による魔族のいじめに反発したに過ぎないのだ、この場にいるものは全て理解した、ダイヤモンド王国もブランド王国も他の国も魔王軍と戦い讃えられているしかし全て、、、


[人間が讃えられるべきではない!]


[わかりました、公表します私が、ダイヤモンド王国が、]


[無理ね、あなたが何と言っても信じない、私たちの真実もきっと、、、]


アジンたちの絶望した顔が、レオンの絶望した顔が、そして何も感じていない自分の顔が、


ライトの心を抉ってきた、なんて、なんて、なんて素晴らしいシナリオなんだろう、最高だ、この先の展開を見てみたい、どんな結末が、


[レオンよ、俺はお前の理解者になる、俺と友達になってくれ、俺はレオンを助けるからだから、今を過去の過ちを続けてはいけない、ダークヒーローとダイヤモンド王国が魔族たちに真実を告げ、謝罪するだから、]


レオンが冷静を取り戻し、ライトの手を取る、


魔王が人間と手を取った初の出来事になる、


[ライト、]


アジンたちが何かを伝えるかのような表情で見てくる、


どんなことでも僕は納得するだろう、さいあくダークヒーローは1人でもできるし、それにまだ終わってないし、


[何?みんな、]


[私たちはあなたについていくから、]


ライトは驚いた、おそらくもう自由になりたいと言うかと思ったからだ、


[良いのか、オメガプランなら我1人でもやるが、お前たちはもう、、、]


[助けてくれたのはライト、あなたよ、私たちはあなたについて行きたい、]


[どうか私たちをあなたについて行かせてください、]


あー、なんてあったかいのか、それでも僕の心はどうして、泣かないのだろう、


約100年後、魔王の転生者が魔族に生まれた、


[魔王の意志を継ぐために、お前の名前は、]


[我は魔王、ダークハート デーモン、人間と魔族に復讐するものだ!]


生まれてきた赤子の魔族が喋り出した!魔王の帰還、


[肉体成長魔法、極、赤子からすぐに大人になった、]


生まれ変わった魔王はすぐに魔族たちを率いて人間に侵攻した、約一年で侵略された土地を奪還した、しかし魔王は止まらなかった、魔族も止まらなかった、恨みが消えなかった、


しかし魔王はまだ不完全、この戦争で前線に出て戦っているため魔力を消費していた、


さらに三年後、魔族は世界の三分の一を収めた、歴史はここから記載されている、


人間と精霊は焦っていた、魔王の帰還に、


しかし100年経った人間界には、もうユダはいない、王の生活を謳歌したクズが幸せに過ごしたそんな事実は記載されていない、


ユダの血を引く多くの強者と精霊王がまた同盟し魔王軍に突撃をかけた、


歴史書には魔族を撃ち破り魔王にまた心臓を貫いたとあるが、真実は違ったようだ、


魔王は一人で人間と精霊王を相手した、


人間側千人の強者、千人の精霊の強者、精霊王、対魔王ダークハート デーモン、


[人間ども、必ず殺してやる、俺が作るもう魔族が苦しまない世界を!]


魔王は防御をしなかった、剣が突き刺されても、魔力弾を当てられても止まらなかった、


[魔族の積年の恨み、必ず遂げる!]


[我々人間が魔族にしてきたことを思えば確かに、でもあなたは間違っています、]


違う間違っているのは勇者だ、理解していない、真実を知らない、信じない、分かり合えない、


[貴様が思っていることではない、全く別の意味の話だ、魔族の積年の恨みは貴様ら人間が死ぬ以外ない、]


あるいは、魔族に反抗する力を失くすくらいだ、


[貴様が思っているほど、貴様ら人間はゴミでクズで醜い、腐った生命体だ!]


魔王が放つ破壊玉の数は幾千にもなる魔王の魔力のほぼ全ての力、


一瞬で殆どの勇者が死んだ、


[魔王そこまでだな、貴様の力はもう!]


[貴様だけは絶対に殺す!絶対に、絶対に!]


魔王と精霊王の攻防、間合いに入ることさえ不可能な速さ激しさ、体力全開の精霊王に対して魔王はギリギリの状態、しかし魔王は剣で刺されても、何されても、止まらない、


[なんだと、なぜだ、なぜ、貴様!]


[俺は止まらない、貴様を殺すまでは!]


[ブチョ、]


魔王が精霊王の心臓に右腕を貫通させ左腕は脳を破壊した、


[ガァ、グ、あ。]


魔王が倒れた、


ヒデルバンよ、人間側も精霊側も、戦争を続けられる力はもうない、真実を全て消すのだ、我々が人間に受けた全てをここに不問とする、私の死で今後数百年の平和を築け!


魔王を失った魔王軍、勇者を沢山失った人間側、精霊王を失った精霊側、


第二次人魔大戦は形上引き分けで終わった、しかし魔族がもし平和より復讐を望めば、人間も精霊も滅亡していただろう、


これが今の世界の真実、人間より精霊より、魔族の方が1番に平和を望んでいた。

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