第13話 次の目的地は…

突如襲撃して来た刺客を撃退した光明寺。

しかし肝心の大山と、正体も分からぬまま倒してしまった刺客の正体が分からず、彼はどうしようかと悩んでいた。

そこで、彼はシャオロンに連絡をしてひとまず警視庁へと帰還したのだった。

そして彼が公安のオフィスへと足を踏み入れるとそこには、先客が待っていた。


「よう、お前も災難だったらしいな」


オフィスにいた先客、それはカツミだった。

鉄工所で別れ、彼は彼で独自に捜索をしていたのだが…


「…どうやらお前もやられたようだな」


光明寺はカツミをじっと観察しながら顔を顰める。

彼の服装は焼け穴が多く、それでいてその全身に傷を負ったのか包帯を巻いていた。

相当の激闘だったのだろう。

しかし彼は何とか生還したのだ。


「へへ、色々あったが…収穫もあったぜ。ほらよ」


カツミは背中から何枚かに束ねられた紙の書類を無造作に投げる。

光明寺はそれを拾い上げると、彼はその書類を読み上げた。

そして彼は、驚嘆の声を上げた。


「こいつは…液体金属の顧客リストか!」

「あぁ、一見ただのリストに見えるが…」


カツミは光明寺の脇から紙に手を出し、一枚捲るとそこには顧客リストとは別のリストが姿を表した。

そこには…


「被検体リスト…液体金属がきちんと変形したかとか、電流の出力の事が細かく書かれてやがるんだ。それにほら…」


更にはそのリストの被検体一覧という表には見覚えのある名前が綴られていた。

そこにはタチアナ、田嶋名前が載っていたのである。

そして彼らが使用した武器のデータも事細かに書かれ、二人は自分達が戦っている相手の真の目的が少しずつだが分かり始めてきた。


「やっぱりこれって《遺産》を餌にした実験なんじゃねぇか?コンツェルンとかいう連中は殺し屋共の戦闘データをかき集めてなにかしようとしてるに違いねぇよ!」

「あぁ、だが何故データを集めているのかが分からん。何か嫌な予感がする…」


そして光明寺はリストを捲っていると、あるページに目が止まった。


「《大久保生体研究所》…?」

「おい、これテレビで見たことあっぞ。確か研究データ横流ししてた奴だよな?」

「あぁ、だが何故ここに名前が…?一年前に閉鎖されたはず…」


何故閉鎖されたはずの研究所が鉄工所とやり取りをしているのか、二人は居ても立っても居られなかった。


「さっそく隊長に報告するか、恐らくこ研究所の所長に会えば全てが分かるはずだ」

「そうと決まれば行動開始だぜ!」


ここから物語は大きく動きだすのだった…

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