メカ泥
川谷パルテノン
生体反応
メカ泥。組織の30%が機械化した泥である。泥が機械化するとどうなるか。なんと硬度が上がるのである。機械化した部分の主な成分はステンレス鋼とプラスチックであるため泥よりも硬くなるので硬度の質がただの泥に比べて上昇する。メカ泥は泥より硬い泥として期待されていた。
「ねえ、メカ泥! またいじめられちゃったよ!」
「そうかいそうかい。それは大変だったねえ。で? ぽたぽた焼はちゃんと買ってきた? 早く! もう気が狂いそうだ」
「それがさ……お小遣いぜんぶ取られちゃったんだうわーんんん」
「オゥシィイット! ないのか? ぽたぽた焼? 嘘だろジェファーソン」
「ぼくは晋太郎だよー! ねえ、メカ泥! 悔しいよ! 取り返したいよ! 手伝ってよ!」
「うるせーーーーーッ なんで俺がそんな面倒被らなきゃいけねえんだ! どこにそんな理由が! 早く取り返してこい! もう平静を保てないぞ俺は!」
「ひとりじゃまた返り討ちにあうだけだよ。いいの? 一生ぽたぽた焼も星たべよも食べられなくて?」
「ク それは」
「じゃあとっておきのヤツ出してよ」
「仕方ねえな。トゥートゥトゥットゥのトゥーン! パウワウワウワウ! 右奥の軟泥に埋もれかけてちょい錆の機械ーーーッ!」
「それはどんな機械なの?」
「右奥の軟泥に埋もれかけてちょい錆の機械は一度セットすると生体反応を検知して破裂する。中には無数の、とはいえ実際数十個だが鉄ビシが詰まっていて敵に炸裂する凶悪兵器さ」
「そ、それならいじめっ子にも勝てそうだね!」
「この右錆機(略称)はとっておきなんだ。岩塚の黒豆せんべいもつけてもらう」
「わかったよメカ泥! 早速やっつけに行こう!」
数分後、近所の公園にはアザだらけの晋太郎少年と鉄ビシが全て自身に突き刺さったメカ泥が横たわっていた。
「青いね、空」
「……」
メカ泥 川谷パルテノン @pefnk
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