第12話 引きずって汚れたドレスの裾
ごきげんようおなつです。
降って湧いた連休がありましたので、我が家では車を走らせて山の中へ行くというブームが起きておりました。
一件目は突然「渓流を見に行こう!」なんつって昼過ぎてから車を走らせ、場所的に恐らく2時間程度で着くのではないか、などと思っておりました。
ところがですね、うちのカーナビパイセン、最近ツンデレなんですよ。目的地にはね、ちゃんと着くんだけれどもね、どうにも「ほんっとうにこの道で合ってんのか」と疑うしかないような不思議な道に案内してくれるんです。いつも絶対にもっとまともな道があるはずなんですよ。それなのに、なぜかうちのカーナビパイセンは曲がりくねった遠回りをオススメしまくってくれるんですねえ。おかげで下の子くんは車酔いして大変です。酔いやすいのは知ってるので、薬は車内に常備しているんですが、進めども進めども終わりのない細い山道を延々ぐねぐね曲がり続け、2時間で着くはずがいつまで経ってもまだ辿り着けず、仕舞いには暗くなってくるわ電波は届かなくなるわ、暗い山道の雰囲気に怯えた子どもらは泣き始めるわ下の子くんは吐くわで、んもうてんやわんやでした。
なのでせっかく着いた渓流など楽しめるわけもなく、目的地到着〜! ちょっと休憩〜! さ、帰ろか〜! と、なにしに来たんかと思うような、なんだか地獄絵図のようなドライブをしていました。
まあね、往路の途中でたまたま立ち寄ったお店に可愛いわんこがいて、可愛いねえ可愛いねえとみんなで撫で回してみたり、復路でたまたま立ち寄った道の駅でお弁当買ったら、なぜかおカネ払ったのの倍以上の量のごはんをタダでもらえたり、悪いことばっかではなかったです。うまうまでした。
二件目は、十年前に一回だけ行ったっきりのアスレチック公園に行こうと思って、うっかり場所を勘違いしたおかげで全然知らないアスレチック施設に向かってしまいました。
でもまあ、行ったことのある土地だったので、せいぜいちょっと遠いくらいで知った道を通るだろうと思っていたんです。
行ったことのある土地なんですよ。なのにね、カーナビパイセン、どこやここォ!! と叫びたくなるような山の中に案内してくれるんです。本当になんでなの。もっとまともな道通ったことあんだろ!! と。まじで車一台しか通れないような細道なんですよ。対向車来たら隣の崖に落ちろってか。せめて舗装された道をえらんでくれよ。おかげで生まれて初めて野生のサルに出会いましたよ。車の前をめっちゃデカいサルが我が物顔で横切って行って一瞬目を疑いましたわ。ほんものだー! すげえー!! でしたわ。
ちなみに下の子くんは、わたしが彼の車酔い対策に用意しておいた、なにわ男子のアルバムをエンドレスリピートで流すとジャイアンよろしくソロリサイタル状態で熱唱しておられたので酔わずに済みました。あの人本当に、2時間くらい気持ち良さそうにずーっとノリノリで歌ってたわ。のび太くんたちの気持ちがちょっとだけわかりました。
うっかり間違えたアスレチック施設でしたが、これが上の子くんにはクリーンヒットしたようでした。平日の昼間だったということもあって、広ーい山の中の広ーい駐車場。誰もいない広ーい山の中の広ーいアスレチックの数々。やりたい放題、叫びたい放題、走りたい放題でひとり大興奮してました。ちょっと難易度の高いアスレチックだったので、やりがいがあったみたいです。下の子くんはビビリな上に運動音痴なので、上の子くんほどアスレチックが上手く遊べたわけではないですが、それでもがんばって挑戦していたので微笑ましく横から見てました。ええ、横から見てましたよ。一緒に回ったけどわたしはアスレチックにはまったく参加しませんでした。なぜならあんなに山の中だと思ってなくてヒールサンダル履いてたから。付いて歩くだけでひとりアスレチック状態だったんですわ。
また来ようまた来ようとしつこいので、今度行くときにはちゃんとスニーカー履こうと思いました。
帰り道は、ぜってぇあんな道じゃねえだろと思ってナビに逆らって逆走したらまともな道に出ました。なんでだろうね。怪奇現象かな。
んで三件目にやっと行きたいアスレチック公園をちゃんと思い出して、今度は最初からカーナビパイセンを無視したら新しく開通したばかりのバイパスを快適に通ることができまして、ぶっ飛ばして予定時間を30分近く短縮して到着できました。なんなんだよカーナビパイセン。
小川が流れてる公園でして、下の子くんは裸足で水遊びしてご満悦でしたが、上の子くんは先日の野性味溢れる高難度施設がクリーンヒットすぎて少々物足りないようでした。
まっすぐ到着してしまうとネタがありませんね。ナビ通りに進むとまた違ったのかもしれませんが。
とまあ、こんな感じで、ここ数日野山を駆け回っております。みなさんはご家庭のカーナビさんと仲良しですか。うちは少々喧嘩気味です。
あと、全然関係ないんですが、姪っ子がなにやらアイドルデビューするらしいです。詳しいことを書くと怒られちゃうのでこれ以上書きませんが、ずーっと頑張ってきていたので本当に良かったなあって思っています。そのうちテレビで自分の姪っ子観るようになったらおもろいなあ。
彼女は幼い頃の数年間、なぜか叔母であるわたしの顔に激似で、妹からは「なんだか姉ちゃんを育ててるみたいで非常に複雑」などという、なんて返せばいいのかよくわからないことを言われたことがあります。
それでも成長とともにちゃんと妹に似てきまして、若い頃の妹は地元でちょっと有名な美人だったので、姪っ子もそれはもう可愛いったらなかったですね。姪っ子は今でもとても可愛いですけどね。美女イケメンは親の手柄、などというらしいのですが、叔母から見るとまさに母の手柄。太りやすい体質までは似ないであげてほしいな、などと思っております。
どこの誰とバレるわけにもいかないので、テレビに出てもいちいち書いたりはしませんが、そのうち可愛いのが映ったらわたしの姪です。笑
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