第2話 おどる道化師と珊瑚礁
旦那の愚痴を書こうかと思っていたんですが、ハッピーサプライズがあったのでどうでもよくなりましたおなつですごきげんよう。
友人たちがですね、書籍化のお祝いにプレゼントを送ってきてくれました。事前に、地元の特産品を送るね、と言われていたので待っていたら、届いた箱の中にはまさしく宣言通り地元の特産品と、それからとてーもオサレな腕時計とブレスレットのセット、そして友人たちからのお手紙が入っていました。
本当になんにも聞かされていなかったので、まさにハッピーサプライズ。特産品をまじまじ見て、オサレ腕時計とブレスレットのセットをまじまじ見て、お手紙読んでうるうる泣きました。わたしがこの世で一番信頼しているのは、旦那でも両親でも子どもらでもなくて、彼らかもしれない。まじで本当にめっちゃ嬉しかったです。
んで、その流れで書こう書こう書きたい書きたいと思っていた『お姉ちゃんの透明マスカラ』の制作のはなしをここに書こうと思います。添削エッセイのほうに書こうかと思っていたんですけど、なんかあっちに書くとあからさまに偉そうだなと感じたので、こちらでこっそり載せておくことにしました。
まず、あれはほら、公募だったじゃないですか。だから、わたしはまずはじめに具体的なターゲットを設定しました。メインの想定読者層は小学生の高学年から中学生の女子。読むのは子ども、買うのはおかん。まずこれを設定。
女子、に限定しました。そんでもって多感な時期の女の子は精神的成長が著しいです。女の子育ててるママ友がゲッソリしながら言ってました。「女の子はなぁ、たとえ幼稚園児でも立派なオンナやでぇ……。ほんっとにもうメンドクセ……」と。つまり、彼女らは大人が思うよりはもう少し大人。体の成長過程のこともあって、男の子に比べてもよりはっきりと未来を見ています。だから、小学校高学年の女子は等身大よりも上の世代を見ているんですね。なので主人公を中学生に設定しました。中学生そのものは多感な時期の真っ只中なので、どちらかといえば等身大に近いほうが親近感を覚えやすいですからね。
次に彼らが読むことに苦痛を覚えない文章のレベルがどこか。最近の子は本を読まないと言われてますけど、大体の子が絶対的に読んでる本があります。それは、国語の教科書。だから文章レベルは教科書相当から少し下辺りに設定です。教科書は意外としっかりした文章が羅列してあるので、その程度なら読んでくれる。人によっては教科書が苦痛な場合もあるので、少し下げました。これはわたしが教科書をすぐに読める環境下にいたのがラッキーでしたね。
それから、一番大事にしたのが、「わたしが何を書きたいか」ではなくて、「読んだ彼らが、どう心を動かすことができるか」です。そこでわたしは自分の中学生時代を思い出しました。あの頃一番印象的だった教科書の中身を未だに覚えています。『赤い実はじけた』です。初恋のはなしなんですよ。中一の春にやったやつです。あの時のそわそわしたくすぐったい気持ちを未だに覚えてるということは、あれを読んだときの感覚が一番大きかったということで、わたしの中のあの時の感覚に近いものを彼女らに得てもらうことが、今回の創作のゴールです。
そんでもってようやく題材ですね。ストーリーは後付けです。わたしはまず、中盤から後半に出てきた「大きな夕日」をメインに据えることにしました。これはですねえ、恥ずかしながらわたしがその当時に、夕日が海に沈んでいくのを眺めながら泣いたことがあるんですよね。多感な時期って、自分の内側にいろんなものを抱えているじゃないですか。それを象徴するような出来事を自分のなかに持っていたもんですからね。人は、「経験」は千差万別でも、「感覚」にはそれほどの違いはないと思ってます。だから、主人公の性格とかストーリーとか以前に、「現象と感覚」の共有によって「共感」を得ることを大切にしました。読むことで自分の思い描く等身大を、自分のなかに見つけられるように作りたいな、って感じですね。だから最後らへんの夕日の描写には隠喩を使っています。受け取り方によって、正解はその人のなかに、みたいな。
んで、ようやっと登場人物ですが、おそらく大体の人が男の子と女の子を対にしてストーリー展開するだろうと思ったので、わざと主人公の立ち位置をそこから外しました。提示されたお題が恋愛ものだったのですけど、恋愛をそのまま軸にすると、あの多感な成長期においてはとても小さくて狭いものに感じられるな、と思ったので、メインを彼らにより近い「家族」に持ってきました。よりリアルに。彼女らの「わかるわぁ」と「憧れ」の融合地点はどこだ、と考えていったら、最終的にあんな感じになりました。
あとは細かいですけど、恋愛に関係はないけど彼女らの好きなものを入れること。それは尻です。人は尻とかうんことか無条件に好きなのです。こっそり一文字仕込みました。
あとは最終的にあれね、自分のなかの些細な未来を見てほしいなあ。っていう親心。思春期は目の前詰まりがちですからね。少なくともわたしのこのはなしを読んだときが、己の未来を見るきっかけになればいい。別にその未来が結婚じゃなくていいけど、結局ひとりでは生きていけないしさ。
そんな感じで考えながら作ったら受賞した次第です。笑
全然関係ないけど、新しくお迎えしたオーブンレンジさんがもうオサレで可愛いんですよー! ずーっといろんなもの温めて遊んでいるので、そろそろ家族から嫌がられそうです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます