家族
その日、僕の車に乗って彼女と彼女の息子くんの3人で動物園に出掛けた。
地元から1時間程車で移動した先の動物園。
園内でもかなりの高低差があって所々に檻が設置してあり、見て回るだけでも結構な運動量になる。
はしゃぐ息子くんを先頭にして彼女と並んで歩き、最初の坂を登るあたりで彼女と手を繋いだ。
何年か経った後で聞いたら、動物園の車を降りた時点で「この人、いつ手を繋ぐんだろ」と思っていたらしい。
2時間程園内を回って、園内の遊具で遊んでから動物園を後にした。
寄り道をしながら、彼女の地元にある体育館の駐車場に停めてあった彼女の車まで送り、すっかり寝てしまった息子くんをチャイルドシートに移動させた。
車の外で「これからも一緒に出掛けよう」と伝えると彼女が頷く。
彼女の小さな身体を抱きしめて、僕たちはキスをした。
彼女は旦那にDVを受けていた。
自分の都合で一方的なセックスを要求してくるので、扉の鍵を閉めて部屋に逃げ込んでも、鍵を壊して中に侵入しレイプされるようにセックスを無理やりされていた。
旦那が部屋に入れないように家具で塞ぎ、部屋の窓から出入りもしていたらしい。
離婚の話をしていても同意されず、旦那のDVから逃げる日々だった。
数ヶ月経って、彼女は離婚することができた。
それから僕たちは同棲することを決めた。
配達女性スタッフと営業スタッフとの恋愛は表向きではご法度になっていたので僕は転職し、彼女は仕事を辞めて家事をしながら内職をした。
同棲がスタートして2週間は毎日、2・3回のセックスをして愛し合った。
新しい職場から徒歩で3分程度のところで住まいをみつけたので、お昼休憩には歩いて家に帰って、彼女とお昼を食べた後でセックスをしてから会社に戻ったりもした。
彼女は以前にキャバ嬢をしていたらしく、地域でNo.2の人気だったらしい。
息子くんはその時の男性スタッフとの間にできた子供らしく、別れた旦那にはそのことは告げないまま離婚した。
1年が経過し、自分たちの子供が欲しくなった僕たちは結婚することを決めた。
プロポーズは「結婚しよう。」とシンプルに告げた。
お互いに2度目の結婚だったので式は挙げず、婚姻届けを出すだけにした。
彼女の提案で、世の中にハートが溢れる2月14日に婚姻届けを提出し、僕たちは夫婦になった。
息子くんを僕の息子として育てていくため、ふたりの子供は女の子がいいねと話し合い、産み分けに挑戦することになった。
書店には産み分けの本は売っていないことが判り、図書館やブックオフなどで産み分けの本を探して実践した。
僕は珈琲を飲まない。
なるべく野菜を多く摂る。
セックスは時間をかけないで射精する。
射精するときは奥の方で出さない。
それが女の子を産むための必須項目。
1か月後に妻は妊娠をした。
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