幕間

夕闇に包まれて、窓から見える景色にところどころ灯がともる。

ベランダに干してある彼女とお揃いで買った、SAUVENIRのロングTシャツが冷えない内に取り込んだ。

珈琲を淹れるための湯を沸かして、スマホとワイヤレススピーカーをBluetoothで接続する。

ACTUSのJazzコンピレーションを聞きながら、またノートPCのキーを叩く。


これまでのエピソードに登場した女性たち以外にも、何名かの女性と付き合ってはいた。

ただ恋人っぽい身体だけの関係だったりするから、彼女と呼ぶべきなのかどうなのか迷ったのでエピソードとしては残さないでおこう。

ディテールを書いたところできっと性的描写がほとんどになってしまう。

そういった内容はまた別の機会があれば書いてもいいかなとは思うが。


僕がまだ若い頃には、彼女は付き合ってくださいと伝えて彼女になるのが常だった。

それからお互いの呼び方を相談しあって、次のデートのプランを一緒に考える。

その時に、付き合ったばかりの彼女に「どこ行きたい?」とは聞いてはならない。

彼女はどこに行きたいかよりも、どんな所に連れて行ってくれるのかに期待しているからだ。


大人になってからの恋愛というのは、どこか曖昧な始まりをして曖昧な終わり方をする。

僕はマッチングアプリでの出会いというものをしたことがないが、そういう場合は、きちんとした境界線があるんだろうか。

どうでもいいか。


僕は人生で一度も風俗などに行ったことが無い。

人生経験として行っておくべきなのかもしれないが、相手を愛さないセックスにお金を払っても何も残らないだろうから興味がない。


ただひとりだけ金銭を支払ってセックスをした相手がいた。

キスはしてもOKなのに、髪には触って欲しくない。

そんな相手だった。

その相手とセックスをしてもなんだか奉仕活動をしているような感覚だった。

相手は仕事と割り切っていると言っていたが、これを仕事だと言ってしまうなら、普通に働いてもまともな仕事はできない人なんだろうなと思った。


あくまで自分の記録という体裁を取っているが、ここまで読んでくれた方には感謝している。

きっとどうしようもない男だなと思って呆れながらも、わずかばかりの興味を持って貴重な時間を使ってくれているのだから。


ひとつ自分を擁護するなら、いままで関係を紡いだ女性たちを全て愛している。

愛されたくて愛したのも事実だが、どんな女性にもかわいい一面があり愛すべき個性がある。

それは肉体的な事も例外ではなく、女性は自分の身体を愛して認めてくれることに執着する。

僕はセックスの間にも彼女の身体で好きなパーツを褒め、その部分にキスをする。

セックスは快感を求める行為だけではなく、女性の承認欲求を満たしてあげる行為だとも思うからだ。

愛されて認められて満たされる。


女性は尽くしたいという部分もあるので、精液を出したあとは「気持ちよかった」と伝えるだけで、セックス自体に対する承認欲求も満たされる。


それでも心変わりをするのが女性だが。


さて、二度目の結婚に向けてエピソードを続けよう。

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