第三章 不貞恋愛
大人の恋
※今回の話は道徳的に反する内容を含みます。
乳酸菌飲料の営業は女性配達スタッフのエリア売り上げのために、定期的にお届けさせていただけるお宅を営業開拓する。
僕は新人の女性スタッフの販売エリア担当として1人で営業開拓することとなった。
彼女は真っ白な肌と少し茶色がかったロングヘア。
髪は細く、ピンクでアイメイクされた小さめの瞳が印象に残る。
約2ヶ月の間、彼女のエリアで営業開拓を行い、その後の2週間程は配達に同行して新規お届け先の案内や育成を行う。
彼女の白いtantoのラゲッジスペースにはお届け用の荷物。
後部座席にはひとつのキッズシートがシートベルトで固定されて置かれていた。
僕は助手席に座り、地図を見ながら新規訪問先の案内をする。
今日は彼女のエリア同行の最終日。
明日からは次の地区での活動のため、社内作業が中心となる。
最後の案内が終わり、地域内のコンビニで休憩をとった。
何度もこのコンビニの駐車場でふたりで休憩をし、営業まわりで疲れた僕を彼女は優しく気遣ってくれた。
普段よりも彼女の話す声が高くなったり、その表情で彼女の隠そうとする気持ちがわかっていた。
「今日で最後ですね。」
それは彼女のからのキッカケだとすぐにわかった。
「あのさ」
僕はこれからも話がしたいこと、できれば一緒に出掛けたいことなどを伝えた。
それを大人の恋と呼ぶならキレイ事に聞こえるだろうか。
彼女の旦那は日曜には子供を連れて実家に出掛けることが多かった。
分譲マンションの2階に住んでいて、近くのスーパーマーケットの駐車場で待ち合わせをして出かけた。
他人からみれば普通のカップルに見えたのだろう。
いつからか彼女と毎週合うようになっていた。
不倫というのは、愛する人が常に他の男に抱かれることに納得していないと成立しない。
彼女は旦那となレス状態だし、求めてきても拒否してると言っていた。
本当かどうかはわからないが、そう言われて純粋な恋だと僕は思い込んでいた。
ふたりのデートはほとんど市外を選んだ。
市外に出ると山や海が近くなるので、出掛ける場所はいつも新鮮な気分で過ごした。
彼女の家庭の事情で数時間しか時間が取れない時には、僕の部屋で数時間ずっとセックスをした。
彼女はいろんな下着を僕に見せてくれたが、おそらくは旦那に見せるためのものだったのだろうと考えながらも、十分に僕を興奮させた。
僕は彼女の下着や裸を写真に撮り、彼女はその行為に興奮した。
細い身体は欧米人のように白く、陰部周辺にはわずかばかりの毛しか生えていなかった。
誕生日やクリスマス、バレンタインとおそらく恋人同士が過ごすイベントを全て二人で過ごした。
いったいどんな嘘をついて僕に会いに来ているのだろう。
少しだけそう思うこともあった。
それでも彼女は家庭に帰れば別の顔をしていた。
ある日、彼女に告げられる。
「旦那とふたりめを考えてるから妊活しようと思うんだけど」
僕はなんと答えるのが正解だったんだろう。
きっと正解なんてない。
彼女を愛してはいなかった。
ただ恋人になりたかっただけなんだ。
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