新しい私
朝7時。私はスマホの目覚ましアラームで目を覚ました。
(うーん…)
寝ぼけながら周りを見渡す。小学生の頃から使ってる勉強机。姿見鏡には寝惚けた顔で寝癖だらけの髪をした私が映っている。本棚にはお気に入りの音楽雑誌が並んでいる。一際目立つ何冊かの本は、私の今までの思い出の写真を集めたアルバムだ。
どこからどう見ても見慣れた私の部屋だ。
ただ、ぼんやりしながら目に入った、壁にあるハンガーに掛けられた制服が唯一の見慣れないものだ。
「サイズは…うん!ぴったり!リボンの巻き方はっと…よし!完璧!」
今日から私は高校生。つまり、”新しい私”になったんだ…!
スマホに刺したイヤホンでお気に入りのバンドの曲を聴きながら、ワクワクした気持ちで胸が一杯になりながら通学路を歩く。
入学した高校は隣り町にあるから遠い訳でもなく、徒歩通学をする予定。
見慣れた景色もワクワクした気持ちで見ると、全てが明るく見える。
そうこうしてたら、入学する高校の前まで到着していた。
(すごい…!ここが高校というところなんだ!)
入学した高校は偏差値50で普通科しかない、これと言った特徴はない公立高校だが、自由な校風で有名だ。
私達新入生とはネクタイやリボンの色が違う先輩達は、制服にちょっとしたアレンジを加えている人達もいる。
そして、校舎は老朽化により数年前に建て替えられたばかりということもあり、凄くオシャレだ。
正門近くの桜も満開で、見渡すと全てが魅力的に見える。改めて”新しい私”を強く実感する。
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