四
流沙河と墨水と赤水との落合う所を目指して、
隣人愛の教説者として有名な
「まず感じることです。感覚を、最も美しく賢く
「心を深く潜ませて自然をごらんなさい。雲、空、風、雪、うす
「それだのに、自然の暗号文字を解くのも今一歩というところで、突然、幸福な予感は消去り、私どもは、またしても、美しいけれども冷たい自然の横顔を見なければならないのです。」と、また、別の弟子が続けた。「これも、まだ私どもの感覚の鍛錬が足りないからであり、心が深く潜んでいないからなのです。私どもはまだまだ努めなければなりません。やがては、師のいわれるように『観ることが愛することであり、愛することが
その間も、師の
悟浄は、この庵室に
弟子の中に、一人、異常に美しい少年がいた。
悟浄は、自分を取って
蒲衣子の次に、
「この道ですよ。この道ですよ。聖賢の教えも
「
悟浄の醜さを
「徳とはね、楽しむことのできる能力のことですよ。」
醜いがゆえに、毎年死んでゆく百人の仲間に加わらないで済んだことを感謝しつつ、悟浄はなおも旅を続けた。
「我とはなんですか?」という渠の問いに対して、一人の賢者はこういった。「まず
別の賢者は説いた、「我はいつも我だ。我の現在の意識の生ずる以前の・無限の時を通じて我といっていたものがあった。(それを誰も今は、記憶していないが)それがつまり今の我になったのだ。現在の我の意識が
次のように言った男もあった。「一つの継続した我とはなんだ? それは記憶の影の
さて、五年に近い
女偊氏は、自分のかつて
「聖なる狂気を知る者は幸いじゃ。彼はみずからを殺すことによって、みずからを救うからじゃ。聖なる狂気を知らぬ者は
「渓流が流れて来て
師の教えのありがたさは
もはや誰にも道を聞くまいぞと、
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