第8話 怒るにも力がいる-8日目-

 1月16日。発症8日目。


 午前7時。

 起床。アラームなしで7時ちょうどに起きるのがもはや当たり前になってきた。

 ベッドから起きて検温。その結果、37.0℃。8日ぶりに37.5℃という発熱のボーダーラインをついに下回りました!

 続いてパルスオキシメーターで血中飽和酸素濃度を測ってみると。結果は100%。おお、平常値に戻ってきてる! 心なしか身体も軽い。やっと"快方"に向かっていると言えるようになってき、げぇーーーーっほ!!


 でも、咳は相変わらずひどい。無理せず寝るに限ります。ごろごろしているうちに何と二度寝。


 午前10時。

 起きるなり上司への報告メールと、マイハーシスを慌てて入力。

 ここまで時間きっかりに送ってきた病状報告を寝坊で遅刻するとは不覚!

 気を取り直して、リビングに降りて食事を摂る。相変わらず、お粥の味はでんぷんのりでした。味覚カームバーック!


 正午。

 ちょっとずつ文字を読んだりすることが億劫でなくなってきているので、フォロワーさんの小説をカクヨムで読んだり、kindleに入れているコミックや小説を読みながら過ごす。


 午後2時。

 さすがに目が疲れてきたので何もせずにベッドで仰向けになって休む。

 こうやって真っ昼間でもひたすら寝て休んで過ごすなんて、もう何年振りだろうか。前職のインフルエンザで高熱出して寝込んだ時も、ここまで寝続けではなかった気がする。


 休み過ぎていると仕事が気になる。というわけで伝達やらメールチェック。

 発症初日の職場共有のLINEのメッセージを見る。


「うちのグループで最初に掛かるとしたらINGENだと思っていたので有言実行やな(笑)」

上司より。ほぼ原文ママ。


……。

…………。

………………。

(ぷっちん/遅発性起爆)。


 こちとら好きでかかったわけでも、コロナにかかることを目標に仕事してるわけではないんじゃー!!(枕どごーん)

 入社当時から思ってたけどほんまにデリカシーないなこのオッサン!!(毛布ばっこーん)

 ぜえぜえ。


 おっと、いかんいかん。怒りに任せて暴れてたら死んでまう。

 無性に腹が立ったのでやり場のない怒りを鎮めるためにも寝ることに。昨日見たYouTubeに部屋を完全真っ暗にするとセロトニン云々の作用で寝れるというので、試しに黒い画用紙を採光窓に貼りつけてカーテンを閉め切る。

 もう療養明けまで発信以外の社用スマホは見ないと決めた。



 気付かぬうちに就寝。職場の人間を一人残らず叩き斬る夢を見た。全支店を壊滅させた後、最後は東京本社に殴り込みをかけてお台場を火の海にしていた気がする。ゴジラかな?


 我ながら寝てても怒りゲージMAX。

 感情の制御ができないのは未熟者 未熟者です(ぴきぴき)。



 午後7時。

 おお、本当に寝れた。夢見めっちゃ悪いけど。

 血塗れになったと思ったら寝てる間に熱でも出たのか大汗かいていたのでシャワーを浴びる。


 36.6℃。


 おお、ついに36度台!

 相変わらず夕飯のにおいと味は感じないけど、苦しめられた熱はやっと去りつつある。


 このまま少しずつ良くなってくれたらいいんだが……。


 午後9時。

 就寝。


発症8日目。

体温:37.0℃→36.6℃。

血中飽和酸素濃度:100%。

症状:前日とほぼ据え置き。体感的には楽になりつつある。



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