第6話 でんぷんのりだこれ!-6日目-
1月14日。
発症6日目。今日も今日とて7時ちょうどに起床です。
体内時計ってすごい。
検温結果は37.4℃。おお、ついに38度台を下回った!
が、相変わらず全身が痛いのと酷い倦怠感です。
酸素飽和濃度は……96%。これは回復しているのか昨日からの誤差なのかわからないので夕方に再測定することに。咳の方は相変わらずげほげほ出てきます。
午前8時。
もはや日課になりつつある上司への健康報告と、マイハーシスへの健康記録を済ませて横になっていると珍しく上司から返信のメール。
「掛かっている社員の中では結構(症状が)重いね。お大事に」
今更かい!
ともかく、抗生物質と熱冷ましを服用。
午前10時。
インターホンが鳴る。見るとクロネコさんが来ていて、ついに実家からの救援物資が到着。配達員さんに事情を伝えて玄関先に置いてもらい、退去を確認した上で玄関を開け、すばやく段ボールを家の中へ。
段ボール箱は両手を広げて抱きかかえるくらいの大きさで、それなりの重さでした。しかもこちとら呼吸器をやられた感染者です。数歩運び込むだけで盛大に息切れしましたが、命を繋ぐ物資なので、何とか最後まで運び込まないといけません。
数分かけてリビングへ引きずり込みます。ずるずる。
いざ開封の儀!
ごーまーだーれー。(わかる人いるんだろうか)
いんげんは、
・経口補水液OS-1(500ml)×6
・のど飴(果物系、V○x系、龍○散各一種)
・おかゆパック6食分
・うどん生麺袋×6
・缶詰(さば缶、焼き鳥缶、焼肉缶各一種)
・サト○のごはん×4
・チョコレート菓子(涙)×2
・カップ麺×3
を、てにいれた!!(レベルアップ音)
十分すぎる量です。
ありがとうママン。
もし生還したら、今度の帰省でかに道楽のランチコースおごるよ。
午前11時。
さて、いただいたものはよいものの、どれから手をつけるか。
うどん。啜るうちに咳が出るので、下手すると鼻で麺をすする大惨事です。却下。
カップ麺。味がしない今食べた所でな。却下。そうなるとサト○のごはんと缶詰も却下です。
消去法でおかゆパックになりまして、これを湯を沸かしたケトルの中にぶち込んでインスタント湯煎します。
さて、おかゆは五分で完成。これを皿に開封して―。
開封して―。
開封―。
あれ、においがしない。
前日くらいから大分怪しかったんですが、ここにきて嗅覚まで完全消失です。
「味覚と嗅覚が完全にダメになった。症状としては咳よりも一番困るかもしれない」
Twitterより引用。13日夜の投稿。
こうなるともはや食事の楽しみは望むべくもありません。
アツアツのお粥を少し冷まして、一気にスプーンで口に流し込みます。
あ、でんぷんのりだわ。これ。
ともかく、二日ぶりの食事らしい食事です。お腹は十分に膨れました。
食べたら眠くなってきたのでベッドに入ります。
正午。
服薬。昼寝に入る。夕方ごろまで熟睡。その間、仕事の電話やらメールがきたものの一切無視。こちとら病人です、休むと高らかに宣言した以上は出る義理はございません。
午後4時。
近所の子どもの下校の声で起床。ベッドでごろごろしながら、かかってきた電話とメールに、全て文面で返信。こちとら咳で喋れんのです。大概が療養明けでどうにかなる案件だったので上司に報告の上で、後日対応で了承をもらいまして、あとはひたすらアマプラとようつべで日頃見ないVTuber系の動画を貪るように見る。あ、これ、テレビより面白いかもしれん。
(3月現在、INGENの推しはホロライブです。)
そんなこんなで夜が更けたので就寝。
寝る前に血中飽和酸素濃度を測ってみた所、朝と変わらず。
これはちょっとずつ軽快しているのかな? 期待を胸におやすみなさい。
発症6日目。
体温:37.4℃。
血中飽和酸素濃度:96%→96%。(安定した?)
体調:嗅覚も消失。
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