第4話 怖いのは孤独-4日目-
1月12日。
本格的にやばいことになってきました。
前回お伝えしましたけれど、咳。これが何といっても辛い。
肋骨が折れるかってほどに、ぜぇぜぇ言ってます。
酸素濃度も療養中、最も落ち込んで93%。あれ、これほんとにやばくない?
さっそく病院に電話したものの不通。この後三度に渡って電話したものの駄目で、結局折り返しもありませんでした。この時、福岡の感染者数はピークでした。そのため医療機関はパンク寸前で、仮に繋がったとしても措置が受けられたかどうか。
というわけでステロイド性抗生物質を飲み、ひたすらYouTubeMusicでAIが適当に組んだセットリストの曲を聴きながら横になっていました。
そのままうとうと(ひょっとしたら死にかけてたかも)して気付けば午後9時ごろ。どうしようもなくお腹が空いたので、じりじりとロフトから降りて、冷蔵庫に残っていた白菜と冷凍うどんとあんかけの素を使ってあんかけうどんを作ってずるずると食べましたが、ただの白菜とあんかけの塩気の美味いこと。
以下、その時のTwitterより。
「たったひとつ救いなのは、食欲だけは残ってくれたこと。なので冷凍庫の白菜とあんかけのもとで作ったあんかけうどんを貪り食っている。」
午後10:50
「明日には実家からの救援物資も届く。そうなれば療養期間の折り返し以降の食事面はかなり楽になる。今夜一晩、なんとか耐えしのぐ。」
午後10:54
食べ終わって、見た冷蔵庫の中は空っぽになってました。
実際、プリンにゼリーと買い込んでいたものはほとんどなくなって、この夜に食べたものが感染・発症以前に冷蔵庫に入れていたものとしては最後。自分の体調以前に飢えへの恐怖が急激に吹き出してきました。
外界と接触できない。
買い物に行けない。
助けを呼びたくても助けを求めるべき相手とつながらない。
そのうちに、助けを求めたくても求められなくなる。
そんな状況にもしなったら……?
感染者の自宅療養において最も恐ろしいものは、こうした不安や孤独といった"孤立"でしょう。コロナ療養において自ら命を絶つ人がいたり、精神的に不安定になる人がいることはニュースを見て知っていましたが、それがあくまでも“知っていた気”でしかなかったということを身をもって体験した一日でした。
ともかく、夜になると考え方が悲観的になっていかぬ。さっさと寝ましょう。ということで4日目は終了です。
感染4日目
体温:38.7℃
血中飽和酸素濃度93%→94%。
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