第3話 陽性者ラプソディ-3日目-
ママー、ウゥゥー。
死にとうない。
人生始まったと思ったらオワタ。
てか何でオレ生きてんの?(真顔)
2日目が地獄のうちに過ぎ去り3日目に突入です。
1月11日午前1時半。
猛烈な頭痛と眩暈の中、恐れていた症状が出始めました。
咳。
いや。これはもう咳なんて生易しいものじゃない。胸腔全体がよじれながら搾り上げられるような痙攣。これが夜通し続く。ちょっと波が落ち着いた隙に寝入って、また冷え込んでくると咳が出るの繰り返し。暖房は部屋が温まったらすぐに切らないと、身体が煮え滾るように熱いのと喉鼻が乾燥して死んだ方がマシレベルに痛む。特に喉と上咽喉の痛みは舐めてました。眠れないレベルです。
市販から病院で処方されたカロナール錠(解熱鎮痛剤)を三錠服薬し、効くかどうかわからない咳止めをぐい飲みしているうちに、副作用で眠気がうとうとと。ようやく午前6時前に就寝。
この日は映画を見たり、動画サイトを見る元気もなくてひたすら横になりながらぜぇぜぇ言っているうちに終わりました。
「症状全体でみると、昨日よりも今日の方がかなり体がきつい。これがピークだとは思いたいけど、これより上があるというなら乗り越える自信がない」
「脳が茹であがるのが先か、酸欠が先か」(同日午後3時半過ぎ、Twitterより)
↑ツイートした記憶がない。
もはやベッドから一歩も動けなくなり、夢を見ているのか幻覚を見ているのか。
見る情景が何だか常軌を逸したものばかりで気分が悪い。
なんか人の影が見えんだけど
ピエロさん ピエロさん 踊ってー踊ってー
雷ゴロゴロ なんかチョーヤバいんですけどー
ガリレオ フィガロ みんな最高!
熱が出ている時に見る夢ってなんであんなにトチ狂ってんでしょうね。
余は眠りとうない、オォォォ。
などと鬱になっていたらLINEに着信。母からでしたが、咳がひどくて会話できないんで切りました。ごめんよ母上。
母「生きてる?」
生きてなかったら切らへんよ。的なメッセージを通知。
母「食べれてる? 水飲んでる」
枕元のポカリが今のところ生命維持の鍵です。
母「救援物資送ったわ。おかゆパック、インスタント食品少々、経口補水液、喉あめとグミ入れてる。明日の午後には届くと思う」
サンキューマッマ!!
夢に見た人影はガリレオフィガロでもなく女神さまであったか。
1月11日:発症3日目。
体温:38.8℃。
血中飽和酸素濃度:94%。
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