【死 骸】

第8話

私「これ、どういうことでしょう？」

小室「偶然とは考え難い。しりとりの呪いは遂行されていたんだろう」

私「じゃあやっぱり犯人は…」

私の中の疑惑が確信に変わった時

テレビのニュースキャスターの声がやけに鮮明に耳に届いた

「速報です

先ほどお伝えした〇〇市のアパートで遺体で発見された

三波流美さんの自宅から、男性の遺体が発見されました。

部屋に残されていた荷物から遺体の身元は元宮隆太さん（23）と判明しました。

三波さんと元宮さんは同棲していたようで、頻繁に出入りしていたと近所の人が証言しています。

元宮さんの死因は溺死と見られており、三波さんの死との因果関係を調査中です。

また元宮さんの遺体は一部が損壊しており、損壊箇所の捜索も行われています。」

私「え……同棲って…新しい彼氏が居たって事ですか？」

小室「いや…状況から考えて井上さんの彼氏と同一人物だろうな。

もし井上さんと全く関係がない別の彼氏と幸せに同棲していたのなら

彼女の家で死んでいた事実に説明が付かない」

私「じゃあ、彼氏は井上さんと付き合いながら三波さんとも復縁していたって事ですか⁉︎」

小室「恐らくそうだろう。そして三波さんの方は二股なのに気付いて

井上さんとは別れて欲しくて嫌がらせを…」

そう口にした途端、小室さんは黙り込んだ

小室「もしかしたら俺達はとんでもない勘違いをしていたのかもしれない…」

私「勘違い…？」

小室「呪いをかけていた術者は、井上さんの方だったんだ」