第4話
最初に連絡を貰ってから1週間後の水曜日
私はまた井上さんに連絡を取った
私「今日は何か置かれていましたか?」
井上「今日はカエルでした」
私「うーん。なんとも言えないですね
猫も運びそうだし、嫌がらせにしては地味だし」
井上「コメントはどうでしたか?」
私「1番多かったのは【モズの早贄じゃないか】というコメントでした」
井上「はやにえ?」
私「モズという鳥が餌を確保するのにカエルや小動物を木の枝に刺して保管するらしいんです。
それを嫌がらせと勘違いして揉め事になるケースが結構あるらしくて、可能性にあげる人が1番多かったです」
井上「でも木の枝には刺さってませんでした」
私「なんでもそれをまた猫が移動させるケースもあるそうなんです」
井上「結局は猫って事ですか」
私「そうですね。まぁ絶対にあり得ないとは言えませんが早贄の可能性は低そうですね」
私「その次に多かったのがやっぱり【呪いの儀式では?】というコメントでした」
井上「…そうですか」
私「具体的には【蠱毒では?】という意見が多かったですね」
井上「こどく?ですか」
私「はい。これが呪いじゃないかと考察している人へのコメントです」
【呪いの儀式じゃん】
>なんかわらしべ長者みたいな呪いあったじゃん。あれじゃね?
>つがいの呪いかな
>わらしべ長者て笑
>食物連鎖みたいなやつなら知ってます
>蠱毒じゃん
>犬とか猫使ったやつもあったよね
>しりとり
>りんご
>ごん。お前だったのか
>ああああああああ
>あぁ蠱毒か
>中国のやつね
>蠱毒はガチでヤバい
私「ふざけた書き込みも多いんですが
その中で話題になっている蠱毒というものを調べてみました。
中国に古くからある呪いの方法なんですが、毒を持つ虫沢山集めて一個の壺に閉じ込めて
お互いを殺し合わせて、最後まで生き残った毒虫が強い呪いの効果を持つ。
とされているそうです」
井上「でも死骸に虫はいませんでしたよ」
私「そうなんですよね。だから井上さんの件とは違いそうですね。
思ったより有力な情報が集まらなくてすいません」
井上「いえこちらも無料でお願いしているので仕方ないです。
でも、進展がないなら今日は体調が悪いのでもう失礼します」
私「あ、そうなんですね。お大事にして下さい」
そして3回目の井上さんとの連絡を終えた。
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