第3話

私「記事が仕上がったので、先ほど教えて頂いたアドレスへ送付したので確認お願いします」

井上「あ、はい。もう見ました。問題ないと思います」

私「あの…この記事の掲載許可を貰うのに、当社の所長にも内容を見て貰ったんですが

『何故、真っ先にストーカーの犯行だと想定していたのか』を気にしていたのですが

もしかして疑う何かがあるんですか?」



井上さんは少し言い淀んだ後

いつもよりも力ない声で話し始めた



井上「実は、今の彼氏とは大学生の時から付き合っているんですが

彼が私と付き合う前に交際していたのが、私の友人なんです」

私「…え?」

井上「あっ勿論、浮気じゃないですよ?ちゃんと別れてから付き合いだしたんですが

その友達は彼が私と付き合う為に自分に別れを切り出したんだと思い込んでて

卒業間際まで結構な嫌がらせをされていたんです」


私「そうだったんですか」

井上「もう卒業して半年になりますし、ミナミとは連絡は取って居ないので違うとは思うんですが

在学中の態度を考えると、死骸を置くくらいはやりそうだなと思って…」

私「そういう事でしたか」

井上「でも冷静に考えると、私ミナミには今の家も教えていないしあり得ないんですけどね」



井上さんは私に説明している内に冷静さを取り戻したようだ



井上「実は、丁度死骸が置かれる様になった頃から体調が悪くて

それでネガティブな考えになっていたのかもしれません。ほら、何かの呪いの儀式なのかな?とか」

私「呪い…ですか。藁人形とかそういう類のって事ですよね」

井上「馬鹿馬鹿しいですよね。体調不良と言っても

微熱とか食欲が出なかったりとか、たまに気持ち悪くなったりする程度で

どこかに激痛があるとかじゃないんですけどね」

私「精神的なストレスから来る不調もありますしね」


井上「死骸の件で学生時代のミナミの嫌がらせを思い出して、気にし過ぎて居たのかもしれません。

彼氏も私が食欲ないって言うとスープとか食べやすいものを作って持って来てくれたりして

心配してくれてるんですけどね…」

私「それなら彼氏さんのためにも早く体調良くならないとですね!

HPに掲載して情報が集まってストーカーでも呪いの儀式でもないとハッキリすれば、体調も良くなりますよ!」


井上「そうですね。よろしくお願いします」

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