第2話

2日後記事が仕上がり

井上さんに連絡するよりも前に

まず事務所のHPへの掲載許可を貰うべく

小室さんに記事の確認をして貰った。


小室さんは我が探偵事務所の所長兼探偵だ。


小室「それにしても随分気の早い依頼人だな」

私「?どういう事ですか?」


小室「君は家の前でカラス死んでいたら、ストーカーだと思うか?」

私「…いえ、まずは自然死や事故を疑いますけど…」

小室「だろ?電線に感電したとかそういう可能性を疑うはずだ」

私「でも何度も続いたら作為的だと思いませんか?」


小室「毎日カラスの死骸があるのならそう思うが、1週間後に違う種類の鳥なら

僕ならより感電や事故死を疑うだろうな。

人間の心理からしても、真っ先に自分や自分の人間関係を疑うより

『この場所』に何か問題があるのでは?と疑う方が自然だ」


私「…確かに…真っ先に嫌がらせとは考えない…というか『考えたくはない』ですね」


小室「そこだよ。1番最初にストーカーを想定している時点で、その依頼人には何か

恨まれる心当たりがあるんだろう」


掲載の許可は貰えたが

その小室さんの言葉が引っ掛かり

私は記事が出来上がった連絡をする時に

彼女の事情をもう少し詳しく聞こうと思いました。

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