言い逃げ!恋愛物語塾

紅粉 藍

授業開始前のオリエンテーション

1限目 いや、私もがんばってるんですよ。

 どうもー、紅粉 藍べにこ あおですー。(自分で拍手しながら下手から出る)


 ここまで来てしまった方は物好きですね。いやはや私のような珍獣を見に来るとは。


 ええ、どうせ私は恋愛音痴ですよ。

 しかも恋愛しようとして失敗してるんじゃなくて、それ以前の生き物なので。


「何で世の中は異世界恋愛ブームなんだよ……クソ、オレだってがんばれば恋愛モノも書けるんだからな!?」

 と、研究すればするほど向いてないことを骨の髄から思い知らされています。


 自覚があるのに予習復習しても苦手を克服できないんですよ?


 受験生だったら首吊ってますわ。



 ……あ、はい。酒飲んで書いてます。すみません。


 ともかくですね、そのような音痴通り越してよちよち歩きもおぼつかない紅粉が己の「恋愛わかんねー!!!!!」をTwitterに投稿してフォロワー様に白目を二桁剥かれる前に、上述の叫びを封印するためのエッセイです。取扱い気をつけてください。すみません。


 と同時にですね、地球上にはたくさんの人類、および人の形をした何かが暮らしてると思います。その中のただ一人でも「同じく!」と手を挙げて下さる方、固い握手を交わせたらなあ、と欲をかいてます。すみません。


 では、はじめます。


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 まず、私の遍歴からお伝えしておきましょう。

 恋愛スペックみたいものです。たぶん。


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なまえ:紅粉 藍

しょくぎょう:ニート

はつこい:1993年「ブルボンの封印」を観劇。一路真輝さんに初恋を奪われる。

びこう:2019年なぜか結婚できた。

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 おわりです。とても簡潔ですね。



 順を追って、更に私の遍歴を掘っていきます。


 さきの一路真輝さんは宝塚トップスターで、そもそも手の届かないお方ですし女性で私も女性で、かつその時は幼稚園児でルイ十三世という役名は覚えられてもこの人が女性で一路真輝さんという人です、というところまで理解してませんでした。仕方ないですね、幼稚園児なので。

 昨今は様々な性自認や多様性が尊重されておりますが、この頃はそんな親切な思想も無く、一介の幼稚園児に対する教育もまあ一般的な範囲ですから。というか宝塚にそんなシャラクサイものは一切無用ですがね。


 ちょっと話が逸れましたが。

 その後も小学生ではコロコロ、ボンボンと月間少年誌を読んで育ちポケモンをはじめとするゲームを日がな遊びながら日中は虫取りとザリガニ釣りといかにやわらかいスライムを作るかを喧々諤々したり、近所でいちばんつえぇ『メタルグレイモンの飯田』を倒すためにデジモンをこっそり学校に持って行くまで育てたり、クラスメイトの兄にストⅡで遊んでもらう、クラスメイトの従兄弟の家に上がり込んでマリパをする、などして暮らしておりました。


 中学生にあがると完全に男女の住み分けが発生しますね。そこに週刊少年ジャンプを購読する、集める単行本(少年誌)が増える、ドラクエに加えてテイルズシリーズも嗜むようになる、くらいの違いしか生まれませんでした。

 ちなみにスクールカーストは今思うと最底辺でしたね。私自身が深刻ないじめを受けることはありませんでしたが、いつもつるんでる子が不登校になりかける、みたいな人間関係です。分からない人は分からないかもしれませんが、そういう目の高さが中学校での日常でした。


 ここまで読んでいただいて察してると思いますが、男女の住み分けが発生した、もしくはそれが自分の中に芽生えるのは第二次成長期に入ったり、いわば思春期に入る頃ですよね。実感が無いまま成長してます。残念ですね。


 ここで更に、高校は女子高に入学してしまいます。なんと単一種族に戻ってしまうんですよ。思春期が小学生に逆戻りするわけです。脳内が元気な声でお歌を歌って踊っておるわけです。踊るポンポコリンです。

 一応断りを入れますが、バイト先や習い事、予備校なんかで恋愛をしているとか、入学前からずっと付き合ってる人がいるとか、そういう女子高生もいます。私はというと無駄にブレることなく、小学校から続けていたバスケをして、絵を描いたり小説書いたり、漫画を読んで、大相撲に沼り白鵬と稀勢の里の名をクラスで日々叫び、ということをしておりました。(成果物はクラスのつるんでる子に見せたりしてました)



 簡潔だった遍歴に恋愛がなかったことをわざわざ証明するために、こんなに文字数が必要だとは思いませんでした。無い物を無いと証明するのは何でも大変ではありますが、これこそ駄文ですね……。


 とうことで、省略です。


 大学生時代、社会人、大体酒飲んでマンドリン弾いて絵を描いて小説書いてます。


 そして現在のニートに至ります。


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  ここでポイントなのは、初恋が発生していることと、初恋の相手が虚構の世界の人間だということです。


 初恋発生時、ませているガキならばこんなニートにならずに済んだのですが、宝塚という虚構に触れて、物心ついた頃に無駄に教養が深まりそのへんのクソガキには目もくれなくなったわけですね。自覚も選択肢もなく英才教育を施されていたのか私は。

 あ、たった今思い出したけど幼稚園児の頃は戦隊ヒーローと水戸黄門もかかさず見てました。この頃他の女の子はやはり少女漫画を読んでる子は読んでまして、特にセーラームーンは流行ってました。アニメもね。誘われるごっこ遊びはたいていそのあたりです。不思議遊戯もかな。けれども私は水戸黄門のおぎんさんをやりたかったんです。誰も賛成してくれませんでした。


 で、虚構の世界でもなんともハードルの高い初恋を済ませてしまったので、これはイフですけど、それ以降フォーリンラブ的な事があっても自覚が出来てない可能性があるなと。


 実はですね、創作活動をちゃんとマジメに考えながらやっていこうかな、となる最近まで、自分に初恋があったことすら自覚ありませんでいた。

 なぜならば、誰かと恋愛をしたことが無かったからです。

 0と1は明確に違います。私は自分がずっと0だと思っていました。でも1だったんです。気付いたのはアラサーでしたが。


 しかし、能動的に恋をしたい! 愛されるよりも人を愛したいぜ! という気持ちはマジのマジで現在も持ったこと無いです。これはもう恋愛とか抜きに、もしかしたら他人に興味が無いのかもしれませんね。シャーレの中の人間というアレを見るのは好きですけど、人間は嫌いです。はっきり言っときます。なんなら人間不信です。


 えーと、どこに着地すればいいんだ?


 そろそろ〆たいんですが結論はどこなんだ。酒をキメた深夜なので頭がふわんふわんの絹ごし豆腐なんですけど、こんな独り言まで明朝に見直して添削したくないんです。それだけははっきりとわかる。


 とりあえずですね、深夜に酒を飲んで、仮にも婚姻届出してる女が3000字も黒歴史曝してる時点でまともな奴ではない。ということは伝わったかなと思います。

 QED.とするならば、『早くから作品や作り手を愛してしまう人生を選ばずとも選んでしまうと、恋を知らない人間になってしまうぞ』、と。


 これでいきましょう。これにて証明終了です。良い学びが得られましたね。


 ここまで読んで下さった方、お疲れさまでした。



 さてさて。本題というか、やっとこのエッセイの本編に入れます。

 長くなりましたが、私の前述までのスペックを頭の隅に置きながら、これからは嘲笑してただくターン。


 次回からは、恋愛モノ修行の一環でがんばっている恋愛モノ作品読書の感想文を中心に、私の思ったこと(主に魂の叫び)をつらつらしたためてましります。


 今後ともよろしくどうぞ。

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