別視点その3.翡翠ミリアの悪夢

ふと気がつくと私はなにも見えない暗い暗いところに立っていた。ログインしてから記憶はない。

 

「ここは?誰かいないの!」

 

 しょうがないので歩き始める。すると目の前に私が好きで好きで仕方のない人であるスナイフル・リボトルもとい葛西竜馬が立っていた。竜馬を見て私は無意識に口走った。

 

「ねぇ竜馬。私たちまたやり直せるよね。私、竜馬の事を愛しているのよ。だから竜馬も私のこと愛してよ!愛してよね!」

 

『…じゃあね。』

 

 そう言って竜馬は私から離れる。私は焦って追いかけるが追いつけない。

 

「どうして!どうして!」

 

 私は竜馬に追い縋る。でも竜馬は私から離れる。私はひたすら言う。「愛して!愛して!」と。

 

 しばらく言い続けていると竜馬が止まる。私の気持ちが通じたと思った。

 

『愛さないで。』

 

 そう言って竜馬は消えた。それと同時に視界が明るくなる。

 

「竜馬!…ここは、いつもの場所?あれは夢だったの?」

 

 酷い夢だった。竜馬が私を拒絶するなんて有り得ない。自分以外の誰もいないだだっ広い部屋の中で一人、「あれは夢だ。」と心の中でしばらくそう自分に言い聞かせていると部屋に誰かが入ってきた。

 

「ミリア様報告があります!奴らが愚かにも私達に宣戦布告をしてきました!」

 

「そんなの直ぐに拒否しなさい!」

 

「もう受けました!奴らを潰すチャンスです。私達が勝てば奴らはこのゲームを辞めます!正直余裕ですがまぁ適当に頑張りましょう!」

 

 ああ、最悪だ。なんでこんな事になったのだろう。私が一体なにをしたと…。

 

『なにもしなかったからじゃない。』

 

 そんな声が聞こえた様な気がした。ねぇ、これが夢なら早く覚めてよ。

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