39.宣戦布告

その日の七時『株式会社VR』の公式チャンネルに一本の動画が投稿された。


『皆様こんにちは〜。タイガーアイだよ。』

 

『スナイフル・リボトルや。よろしゅうな。』

 

『今回この動画を出した理由はね翡翠ミリアとその親衛隊達の起こしている問題事なんだ。』

 

『タイガーのライブや動画を追っとる人らは知っとる事やけど、翡翠ミリアと親衛隊が何やったかを知らん人に説明するわ。

簡単に言うと翡翠ミリアとその親衛隊のせいでワイとタイガーアイ以外ベータ版を遊んどった一般プレイヤーが皆このゲーム辞めてしまったんよ。だから今このゲームをログインしているのはワイら二人と翡翠ミリアとその親衛隊の百一人や。

ちなみに最初はベータ版プレイヤーは一万人おった。これを聞いてこの問題の深刻さが分かったかな。』

 

『これには株式会社VRの社長も翡翠ミリアとその親衛隊に激怒って言うわけ。ついでにユメヲミセルの社長も頭を抱えてるよ。』

 

『だからね。その問題をどうにかするためにワイらと社長方と話し合ったってわけ。そしてその結論が今回の宣戦布告さ』

 

『その相手はお前らだよ。翡翠ミリアとその親衛隊ども。内容は攻城戦だ。ルールはシンプルだ。俺らがお前らの拠点にカチコミに行くから、お前らは大将である翡翠ミリアを死ぬ気で守るだけだ。』

 

『要するにワイらはアンタらの大将である翡翠ミリアを殺す。お前らは翡翠ミリアを守るためにワイらを殺す。ちなみに残機はどっちも1だけや一回死んだらそこで終わりの殺し合いや。そっちはワイらの五十倍は人数おるし楽勝やろなぁ。』

 

『ちなみに勝った時の話だけど、お前らが勝ったら俺らはこのゲームを辞める。お前らはそれを望んどるん様だしそれでいいだろ。

そのかわりお前らが負けた時だが、まず悪質な行為をしてた奴を永久垢BANだ。ついでに別のアカウントを作ってもゲーム出来ないようになるからそこの所よろしく。全員って言わないのは中には脅されてやっている奴もいると言う事も考えての株式会社VRの慈悲だ。喜べよ。』

 

『そんでお前らがこの宣戦布告を受ける条件は

[翡翠ミリアが受ける受けないの選択肢で受けるを選ぶ]か

[親衛隊の半分が受ける受けないの選択肢で受けるを選ぶ]だ。

どちらかの条件を達成できればその時点でアンタらはワイらの宣戦布告を受けて立ったと言う事になる。』

 

『もしお前らが俺らの宣戦布告を受けるのであればその時は俺らが敬意を込めて本気で潰してやるよ。ギャンブラーとガンマン舐めるなよ!』

 

『んじゃ受けるかどうか楽しみにしておくよ。ちなみに攻城戦はワイらの宣戦布告を受けてから三日後の夜七時やお前ら忘れて遅れんなよ、株式会社VRの遠隔操作で攻城戦が始まった後にログインできん様にするらしいで

ま、よう相談して決めーや。』

 

『俺らが言いたい事は言ったから一旦お別れです。今日の夜のライブでまた会いましょう。バイバーイ。ご視聴ありがとうございました。』

 

『バイバーイ。絶対見てくれよな。』

 

 動画はこれで終わりだ。さてネットの反応は…。

 

『翡翠ミリアってこんな人だったんですね。』『これフェイクだろ。』『僕ちんの!ミリアちゃんが!こんな事する筈がないだろうが!ミリアちゃんに謝れ!』『公式が出してユメヲミセルもなにも言ってないから本当だろ。』『ベータ版のプレイヤーなったけどミリアはともかく親衛隊はうざかった』などなど

 

 コメント欄は阿鼻叫喚である。正直コメントが酷すぎて見てられなかったのでコメント欄を閉じてリボトルにライブを始める事を連絡してVRファンタジーにログインするのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る