36.親衛隊の関係者?
「今後について考える前に私達から二人共に謝罪する事がある。」
「?…社長さん方お二人に謝罪されるような事されとらんけど、むしろ社長方も被害者やん。何謝るんで?」
リボトルがそう尋ねる。そりゃそうだ。悪い事をしているのは親衛隊であり芸夢さんが謝る事はない。未来さんの方も親衛隊が出てこなければ本来被害者の筈の翡翠ミリアが(親衛隊を通して)加害者にはならなかった筈だ。一体何を謝るのだろう。
「タイガー君のライブを見たりとリボトル君の話を聞いたりしていると本来起こらない事が起こったりしている、要するに一般プレイヤーには分からない程度にチートを使っているのが分かった。」
「えっ!何かおかしなところがあったのですか?」
「ああ、まずタイガー君に親衛隊が初めて絡んで来た時に使ったアイテムだ。あのアイテムは本来存在しない物だ。なんせゲームに出すアイテムを決める時にボツになったアイテムだからね。
それに本来邪神の使いのイノシシはどんな使役系の職業でも操れないように設定していた筈だったんだ。
最後にリボトル君を撃ち殺したサブマシンガンだが、そもそも銃自体を宝箱から入手したり自分で作れるようになるのは初めてゲームログインしてからリアルで三日たってからだ。」
「えっ!本当ですか!?」「嘘やろ…。」
「本当だ。おそらくと言うか確実に我が社員の中に親衛隊が混ざっている。それも複数人だ。」
「私の所の社員もよ。あの子がVRファンタジーをやる予定であった事を知っているのは本人から手伝いを誘われたリボトル君と私とあの子のマネージャーを含めたごく一部の社員だけよ。
私の所の社員が親衛隊に居ない状態だったらあの子がVRファンタジーをしている事すら知らない筈なのよ。
だけど親衛隊はあの子を迎えに来ている、その理由がうちの社員が親衛隊に情報を流していると言う事になるのよ。
ユメヲミセルでもない部外者である貴方は殺されているから親衛隊じゃない事も確定しているわ。」
「そうなんか…。でも社長方は悪くないと思うけど。」
「いや、ダメだ。君らと辞めていったプレイヤー達は僕と夢乃さんの部下によって迷惑を被っている。それに下の不始末は上の責任だ。部下にやりたい放題をさせてしまったこちらにも責任がある。」
「そうよ。私達の部下がこんな愚行を行ったせいで今の状態になってしまってるのよ。これを抑えれなかった私達も悪いのよ。後でこの事を世間に公表して謝罪するけど先に謝罪させて頂戴。」
「「私の部下達があなた方に迷惑をかけました本当に申し訳ございませんでした。」」
社長二人に謝られてしまった。
「ワイは社長方は悪くないと思っとるから許すどころか気にしとらんよ。本当に謝るべきなのは親衛隊とか言うクソみたいな団体に所属しとる社員共なんよ。
そいつらはワイら一般プレイヤー達に迷惑かけとるし、社長達みたいな真面目な人らにとっても害悪な事しかしてないんやから。
それにそいつらによって一番被害を受けてるのはミリアやからな。」
「ああ、その通りだ。少なくとも俺らは気にしていません。それよりもそのクソ社員らをどうするかを考えましょう。」
「二人とも、本当にありがとう。」
「そうね、じゃ被害者であるあの子をどうやってクソ親衛隊どもから助けるか話し合いましょうか。」
夢乃さんがそう言って俺たち四人はこの問題をどうするか話し始めた。
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