34.あの日起こったこと(リボトル視点)
『VRファンタジー』ベータ版、選ばれた一万人が先行プレイする事となっていた。
その当日、ワイは待望の『VRファンタジー』を幼馴染である翡翠ミリアこと黒瀬冴子と一緒に始めた。
ワイはガンマンで冴子はギャンブラーを選んだ。何故かvtuber名を使っていたから理由を聞いたら配信が解禁されたらすぐ配信出来るようにするためと言うマネージャーの助言らしかった。ゲーム内ではミリアと呼ぶようにお願いされた。そう頼まれたワイもリアルとは違う別人を演じてみたかったのでリボトルと呼ぶようにお願いした。
それとは別に配信を行うに当たって冴子が信用できるメンバーを集めると言う目的もあったのでワイも手伝う事にしたのだった。
このゲームで記念すべき初めての戦闘。ワイはまだ銃を作れなかったし冴子はゲームに関することに対しては咄嗟に考え行動できる判断力はあったが運と慎重さががなかった為ゴブリン一体相手に苦労していた。
「ワイがゴブリンと殴り合って抑えるからミリアはサポートをよろしく!」
「分かったわ。記念すべき私のダイス、第一振り目よ!出た目は一だわ!弓と矢一本だわ!とりあえずこれでゴブリンを射るわよ!」ギギギギギポンッ
ドスッ「ギャー味方を射るなアアア!ちゃんとゴブリンを狙ってくれエエエ!」
「ヒィー!リボトルごめんなさい〜。だって弓矢とか初めて使うもん。」
ズボッ「ぐっ痛ぇ、俺に刺さった矢でゴブリンの脳天を刺す!」ドスッ
ゴブリン一体をを翡翠ミリアと協力して倒した。ゴブリンの棍棒一本と3ゴールドを獲得した。
「これがVRファンタジーの戦闘なのね。大体分かったわ。」
「フレンドリーファイアだけはやめてくれよ。」
「次からは気をつけるわよ!そんなことより早く次の敵と戦いましょ!」
「はいはい…。」
そんなこんなで二人で騒ぎながら『VRファンタジー』を楽しんでいた。そのまま半日が過ぎるまで楽しんでいた時、空から急に百近くの光の柱が出現し翡翠ミリアの親衛隊を名乗る者たちが「お待たせしましたミリア様」と言う言葉と共に一斉にログインしてきた。
その時にミリアにこの人らの事を知っているか確認したがどうやらミリア本人も予想外の事だったらしい。
急な出来事に呆然と立ち尽くしているとログインしてきたプレイヤーのうちの一人がワイに向かってサブマシンガンで撃ってきた。ワイはそれをモロに喰らって倒れ伏した。
「リボトル!…なんなのよアンタら!」
「俺達はミリア様の親衛隊です。ミリア様がこのゲームをする事を知り、俺を含めた百人のプレイヤーがミリア様のサポートをする事になりました。ミリア様には特別な拠点を用意しておりますので来てもらいます。その後はまず手始めにミリア様と俺達親衛隊以外をこのゲームから引退させます。」
「何言ってるのよ!それになんでアンタらが私が『VRファンタジー』をやる事を知って…!とにかく!私はこんな事を望んでないわ!アンタらにもついていかないわよ!」
ミリアがそう言うとワイを撃ってきたプレイヤーが一人近づいてきてワイのこめかみにサブマシンガンを突き立てた。
「ミリア様、そんな事を言わないでください。あまりにもミリア様が我儘を言い続けるのであればこの男を殺しますよ。それに俺達親衛隊はプレイヤーが死んでどこにリスポーンするのかも分かっていますのでミリア様が俺達に着いてこないと言い続けるのであればこの男を永遠にリスキルさせます。」
「…分かったわ、案内しなさい。私はアンタらに着いて行くわ。そのかわりリボトルを殺さないで。」
「分かりました。ではこちらへ…。」
そうミリアは案内されて特別な拠点へと着いていった。ミリアを連れていかれたワイは目的を達成したであろう親衛隊にミリアの姿が見えなくなったと同時に殺された。
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