19.イノシシの恩返し

      〜イノシシの恩返し〜

 

「ふぅ…、なんとかなったな。これで一安心だぜ。イノシシたちももう大丈夫だろ。」

 

『襲撃を簡単に蹴散らせるとかこえーよ。』『イノシシは傷つけずに蛮族プレイヤーだけ殺すとかやばすぎ。』『と言うかなんで蛮族プレイヤーがタイガーアイに襲撃して来たんだ?』『翡翠ミリアの指示じゃねーの?知らんけど。』『むしろそれが一番ありそうではある。』

 

 一息ついていると大きいイノシシが一体倒れている。他のイノシシたちが心配そうにしている。痛々しくて見ていられなかったのでイノシシ達に近づいてグリーンハーブとやわらか茸を置く。

 

「お前ら、こいつが目を覚ましたら食わせとけ。少しは傷はマシになるはずだから。」

 

 依頼の品だがどちらもそこら辺に生えている。また探せばいいだけだ。そう考え森に入る。やはりGランクの依頼すぐにやわらか茸が見つかった。依頼分を回収し森を抜け出す。イノシシたちはいなくなっていた。

 

「アイツら住処にでも帰ったのかな?まあ思ったよりも大丈夫そうで安心したよ。じゃあグリーンハーブを集めて帰りますか。」

 

『依頼お疲れ様〜(未来予知)。』『ハプニングしか起きてないな。』『早く帰ろう!』『その方がいい。』

 

 そうコメントと会話しながらグリーンハーブを回収していると何かがこちらへと向かって走って来た。

 

「なんだぁ!?あれはさっきのイノシシたちか!?」

 

 大きなイノシシたちは俺の前まで来ると綺麗に並んで止まる。呆然としていると大きなイノシシ達の中でも一際大きなイノシシが目の前まで歩いて来て何かが入っている袋を置いた。そして一際大きいイノシシが来た方向に向き走り出すと、他の大きいイノシシ達もついて行くように走り去って行ったのだった。

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