第186話 こしょこしょとえちえちは紙一重
「いやー。世の中便利になったもんだなぁ」
このご時世、大荷物を背負って海に来なくとも、レンタルというシステムがある。
レジャーシートにパラソル。ビーチボールや浮き輪なんかもレンタル可能で、いたせりつくせりだ。
ちょーっとお値段が異常な気もするが、関係ない。
夏だもん。パーっといこうぜ。
「よっし、有希! 早速と泳ごうぜ」
「その前に」
有希は、たわわに実った胸を支えているアメジストの水着を緩めた。
中から、宝玉と例えても差し支えない有希の胸が、溢れそうになっている。
彼女はそのままレジャーシートにうつ伏せになった。
うわー。レジャーシートに転生したいと思ったの初めてだわ。
「日焼け止め、塗ってください」
「きみ、わざと俺を欲情させて楽しんでない?」
こちとらさっきから、レベル違いの美しい水着美女といるもんだから、ドギマギしかしないんだよ。
「欲情しちゃったのですか?」
「そりゃ、するだろ……。こんなん……」
「ふふ」
小さく笑う姿は、経験豊富な大人の女性を彷彿とさせ、こちらを可愛いものでも見るかのような余裕の笑みを浮かべてくる。
「別に欲情しても良いのですが、ここは海ですからね。爆発するなら誰も見ていない時にしてください」
普段の声が、どこか婉容な気がして、欲望に素直になりそうになる。
「……家の中なら良いの?」
「だめです」
「いや、あかんのかいっ」
パチンと自分の膝を叩いてツッコミを入れてしまう。
「でも、強引に乱暴されたら仕方ありませんよね。私じゃ晃くんに抵抗できませんし」
「その言い方はずるいぞ」
言いながら、彼女の側に座る。
「俺が有希にそんなことするはずない」
「わかってますよーだ」
べっと舌を出し、幼い表情を見せる。
どうやら俺をとことん信用してくれているみたいだ。その表情が証拠だろう。
「でもでも、晃くんになら、いくらでも乱暴されても良いっていうのは本当です」
「こんにゃろ」
俺は日焼け止めを手にたっぷりとつけて、有希の身体に塗りたくってやる。
「ひゃん! ちょ、ちょっと、いきなりは……」
「俺を欲情させようとする有希が悪いんだ。ほれほれ、悪い子はどこだぁ?」
若干、くすぐるように塗りたくると、有希の身体が跳ねる。
「あん、んっ。こ、晃くん、くすぐった……あん♡」
「いやらしい声出してもやめてやんねぇからなぁ。おりゃ、おりゃ」
「ら、らめ♡ らめです、こぉくぅん♡ そこ、わたし、弱っ、あん♡」
ピクピクッと小刻みに震えて、「はぁ♡ はぁ♡」と息を切らす。
「ちょっと、有希さん?」
大きく息をしているが反応はない。呼吸を整えると、彼女はビキニを着直して、手でたっぷりと日焼け止めを塗った。
「晃くん……。仕返しです!」
「あっひゃひゃ! 脇腹は卑怯だぞ!」
「卑怯もなにもありません。えいっ、えいっ」
「ひゃひゃひゃ! やめっ!」
「えいっ、とりゃ!」
有希はなにを言っても脇腹から離してはくれなかった。
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