第11話恵
私はあのあと仕事場に戻ったが、ヨシトさんがどこかよそよそしく疑問に思った。しかしどうやって話を切り出そうかずっと悩んでいた。きっと2人は拒否するだろう。しかし2人は拒否をしてもう
「7回……」
これ以上拒否してしまうと生まれ変わることができなくなってしまう可能性がある。
そして現世でもあの世でも忘れられてしまう存在となり二度と生まれ変わることができなくなる。
次の日私は覚悟をもって2人をお菓子屋のコキアに呼んだ。店には若い人たちがスイーツを求めてきていてにぎやかだった。
「あ!あやめちゃんだ!」
恵さんの声に反応した私は恵さんとヨシトさんを席に座らせるよう促した。しかしヨシトさんの顔が暗く見えたのはなぜだろう?
「実は今日恵さんに大事な話があってここにくるようお願いしたんです……」
しばらく沈黙が流れ私は俯いてしまった。しかし恵さんが
「私次生まれ変わるんでしょ?」
私はその発言にはっとして顔を上げた。
「なぜそれを……」
恵さんの視線の先にはヨシトさんがあった。
「すまない……偶然見てしまった……」
ヨシトさんは泣きながらそう言った。恵さんはヨシトさんを慰めようとしていて涙を拭いているがヨシトさんは泣きながら首を横に振って
「俺の元からいなくならないで……」
私はこのときばかりは自分の仕事を恨んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます