第8話 康子
「康子さん!!」
「あやめさん!!」
私は康子さんの言葉を聞いて私は急いであの世へ向かった。
「私……本当に……失礼なことを……!!」
康子さんは涙を浮かべながら私に謝罪してきた。きっと康子さんはとても繊細な方だから弟妹を残してしまったことを義明さんに申し訳なく思っていてたのだろう。それを周りの人に上手く伝えられずに……きっと罪悪感を感じて、今まで生まれ変わることを後悔してきたのだろう。
「大丈夫。あなたみたいな心残りをしている人を助けるのも私の役目ですから。」
私は康子さんの手を握って笑顔でそう言った。
康子さんの笑顔が
なぜか誰かに似ていたのは気のせいだろうか?
「あの!あやめさん!」
「どうかしました?」
「あの……お恥ずかしいながらも……私……字を書くことができなくて……」
康子さんはその当時戦争時を生きていたので書けなくてもしょうがない。アランくんは佐久間さんの傍で字を書くことを見ていたからなんとなくは書けていたらしい。しかし字が書けないというと……かなり厳しいなと思った。私はあるものを見つけた。それは康子さんが描いた絵だった。
「めっちゃ上手……!!」
「クロエより綺麗だもんな」
「ノア?後で裏来て?」
クロエさんとノアさんがわーわー喧嘩している間に私は康子さんの絵を見ると
「これ……私?」
「えへへ……ちょっと描いてみたの……!」
私はこのとき思った。
「絵で表現するのはどうですか!?」
「なるほど!!ちょっと……頑張ってみる!」
30分後康子さんが描いた絵はものすごく美しかった。だけどどこかで見たことがあるような気がしたのは気のせい?
「これは私の家に代々伝わる家紋と義明の娘を描いたの。義明の娘は……ここから見たことあったの。とても綺麗で笑顔が似合う子で……でも義明の娘は……娘が高校生になったとき家族旅行に行った際????????しちゃって……」
私は康子さんの大事な部分をテレビのような雑音のような音で邪魔されて聞こえなかった。
「あの……康子さん……もういっかい」
「おぉ!これあやめにそっくりじゃん!!」
そこに割り込んできたのはリュカさんだった。
「完成しました!!」
康子さんは嬉しそうに目を輝かせて私たちは康子さんの絵を見る。するとそこには義明さんたちが描かれていた。しかし1つ疑問が出た。
「この人……私にそっくり……」
私に似た人がいた。
なぜだろうか
この絵を見て
懐かしいと思ったのは
「義明さーん!手紙届けにきました!」
義明さんがドアから出てきて、義明さんは手紙を開き涙を流した。
「うぅ……康子姉さん……」
義明さんは長い間泣いたが、泣き終わるとスッキリした顔で
「また会おうね」
と青空に向かってそう呟いた。
「あやめさーん!」
私はあのあと急いで康子さんの元へ向かった。康子さんはリュカさんといてこれから生まれ変わる準備をしていた。
「お元気で」
「義明に会いに行ってくる」
「気をつけろよ!」
「康子さん……また来世で……!」
私とクロエさんとノアさんは康子さんとリュカさんが光に包まれ空に消えていったのを見届けた。空には花火が残りその形は勿忘草だった。
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