第4話 アラン

「こんにちは。佐久間さん。」

「あやめ!?」

私は佐久間さんにアランくんの手紙を届けに佐久間さんの家を訪ねた。

「アランくんからの手紙です。読んで下さい。」

佐久間さんは手紙を開くと涙を浮かべてボロボロと泣いた。

亮平くんへ。

僕と一緒にいてくれてありがとう。僕にひたむきな愛をくれてありがとう。僕が熱を出した時は寄り添ってくれてありがとう。僕が死んだ時泣いてくれてありがとう。僕は知ってるよ。亮平くんが優しいことも。人のために泣くことができることも。僕が生まれ変わったら合図をだすから今度は亮平くんが僕を見つけてね。今度も一緒にいたい。亮平くんに会いたい。ううん、会いに行くために生まれ変わるね。亮平くんは勉強と運動もできるけど、とっても不器用でいつも人の倍頑張ってる。今度はを守れるように強くなってね。

アランより





私はアランくんの書いていた人の名前を知ることができなかった。

「そっか……アラン……俺も会いたいぞー!!」

と空に向かって叫んだ。

そのあと佐久間さんは

「あやめ。俺のこと覚えてないの?」

と言った。私は佐久間さんと会ったことないし、記憶がない。

「あなたのことは知りません。では。」

私は佐久間さんの後を去ろうとしたとき佐久間さんが

「俺……!お前の……だったんだよ!」

と肝心な部分が聞こえなかった。なぜかそこだけが雑音のようになっていた。私は振り向いてなんて言っていたのかを聞こうとした。

「佐久間さん。私についてなにか知ってるの?」

「だから……お前は俺の……!」

と聞こうとしたらセンが現れた。

「さあ、あやめ行くよ。アランくんも待ってるよ。」

とセンが私の手をとりそのままセンに連られるようにあの世へと向かった。
















「あやめさん!!」

あの世へ向かうとそこにはアランくんがいた。

「元気でね。」

「あっちでも頑張れよ。」

「ワン!」

アランくんは生まれ変わる人を連れていく担当をしている天使のリュカさんと共に私たちの元を去ろうとした。リュカさんは長い髪を1つにまとめながら私たちを見つめる。

「セン……また寂しくなるね……」

「大丈夫。俺がいるだろ?」

「そうね……」

私がセンの肩に頭を置くとセンは私の頭を撫でてくれた。

「リュカさん。お願いします。」

「任せて!!よし!アランくん行くよ!!」

「ワン!!今までありがとうございました!」

リュカさんが持っている杖を地面に叩くとリュカさんとアランくんは空へ消えていった。

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