第3話 アラン

「じゃあアランくんはクロエさんと手紙書いててね!」

「わかった!!クロエさんよろしくね!」

「こちらこそ!あやめ気をつけてね!」

「怪我すんなよ」

「うん!いってきまーす!」

私はとある場所へと向かった。それは

「今日も人間がいっぱいだあ」

そう人間界に来ました。私はアランくんの飼い主の元へと向かう。

「へー、あの人かぁ」

まだ後ろ姿しか分からないがアランくんの飼い主らしき人を見つけた。年齢でいうと高校生くらいで制服がとても似合っていていわゆるイケメンだ。アランくんの情報によると飼い主さんの名前は佐久間 亮平さくま りょうへい。とても活発で誰とでもすぐ仲良くなれるという。私がなぜ人間界に来たかというと事前確認をするためだ。手紙を送る主がどんな人かまた手紙を読んでくれるかを確認するため。佐久間さんの後ろを追っていくとお墓にたどり着く。

「アラン。お前がいなくなってもう十年以上経ったな……また俺に会いに来てくれるよな?」

私は佐久間さんの横顔を奇跡的に見ることができた。その顔はとても美しく、なんだか不思議

雰囲気だった。だけどなぜか懐かしいと感じてしまうのはなぜ?私は音を立ててしまい、

佐久間さんがこちらを振り向く。すると

「あやめ……?」

なぜか私の名前を知っていた。私は驚き

「なぜ私の名前を知っているの?」

と聞いてしまった。しかし人間とあまり仲良くするのは良くないというあの世のルールがある。

「ご、ごめんなさい。失礼します。」

私はその場を急いで去ろうとしたら佐久間さんが私の腕を掴み

私はその疑問に答えることができなかった。だって私は知らないから。

「離して!私はあなたなんか知らない!!」

するとある人が私と佐久間さんの間に立った。

「あやめの手離してやって?」

「セン!!」

そこにはあの世の門番のセンがいた。センはよく私がピンチの時に助けてくれる。

「あやめ、帰ろう?」

「あやめ待って!!俺また……」

私はセンに連られるようにあの世へと戻った。

「セン……ごめんね。」

「いいんだって。これも俺の役目だよ?気にしないで。」

センは私の手をぎゅっと包み込んだ。センは私の1番の友達だった。泣いているばかりの私に手を差し伸べてくれたのはセンだった。それから色々な人と関わることが増えて今があるのはセンのおかげだ。さっきの佐久間さんの問いに私はモヤモヤした。するとセンは私の顔を両手で挟み

「ほら。あやめは上を向いて笑ってて。」

私はおかしくなって笑ってしまった。するとクロエさんとノアさんとアランくんが私の元に駆け寄って来て

「あやめさーん!手紙書けたよ!!」

とアランくんは私に手紙を渡した。

するとクロエさんとノアさんは私をセンから離し後ろで庇うように守りの体制に入った。

「あやめ……なんでセンがいるの?」

「あ……えっとさっきばったり会ったの!」

「そうか……」

いつもそう。ノアさんとクロエさんはセンを敵対する。私は佐久間さんとこの状況の2つの疑問のせいでモヤモヤした。私のモヤモヤは晴れることがなかった。まさかあんなことが起きるなんて思いもしなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る