第2話 アラン

「次生まれ変わるのは……犬!?」

「うるさいよ!あやめ!」

ノアさんは桔梗の手紙屋に届いた書類をまとめてくれている。そして今度生まれ変わるのはなんと犬だと父と母は言った。両親はそれぞれの種族をまとめるだけではなく、生まれ変わりの予知まで担当をする。(決定権は私だけど。)両親は私の補佐をしてくれている。

「おっはようございまーす!」

と鼻歌を歌いながら入ってきたのは天使のクロエさんだった。

「クロエさん。今度の生まれ変わる犬のアランくん連れてきてくれませんか?」

とさっそくクロエさんに仕事をお願いすると

「実はもう連れてきちゃいましたー!」

とじゃーん!という効果音と共に現れた犬のアランくんがいた。アランくんは白色の大きな犬でとても可愛い顔をしている。

「こんにちは、あやめさん。」

とアランくんはしゃべり、ぺこりとお辞儀をする。

「こんにちは!今度はあなたが生まれ変わることが決定しました!」

と私とノアさん、クロエさんは祝福する。

「僕次はなにに生まれ変わるの?」

とアランくんは尋ねると

「人だよ。」

と私は答える。生まれ変わる度にみんなは記憶を保持できないため、ここは言ってもOKなのだ。するとアランくんは喜び私の頬にスリスリしてきた。

「やったー!」

こんなに喜んでくれるとは思えなかった。しかしここで1つ問題が

「アランくん、手紙出すっていう希望だけどペン持てないよね?残念だけど生まれ変わる人しか字を残すことができないの。私たちが書いたら持ち主の所に届いても白紙になってしまうの。」

アランくんは耳をしゅんとへこませた。ノアさんがアランくんを撫でるがアランくんは落ち込んだまま。

「あのー」

とそこから口を開いたのはクロエさんだった。

「手紙のサイズって決まっていないですよね?」

と聞かれ私はこくりと頷いた。するとクロエさんはニヤッとして

「手形で文字を表せばいいんじゃないですかね!?」

と鼻息荒く言い、私とノアさんとアランくんは目を輝かせ

「ナイスアイディア!!」

と大きな声を出したのであった。

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