第9話

そして、私達6年生の卒業式が終わった。教室で、みんなで集合写真をとり、担任の先生に寄せ書きをわたした。私は春日ちゃんといっしょに写真をとった。その後、私は森川先生と花子ちゃんに会いに行こうと保健室に行ったが、そこには誰もいなかった。校庭に出ると、大きな桜の木の前に先生と花子ちゃんがいた。花子ちゃんはさわやかな、そして少しさびしそうな表情をして何かを話しているようだった。『由紀ちゃん、私卒業できてよかった。小学校もだけど、自分の意地悪な性格も。すみれちゃんや由紀ちゃんにひどい言葉を言ったことはすごく、こうかいしてる。だから私⋯もし、もう一度人生を歩むことができるのなら、もし生まれ変わることができるのなら⋯桜の木になりたい。みんなに希望を与え、元気を与え、みんなを笑顔にさせるようなそんな存在になりたい。今日15年前の由紀ちゃんとの約束が叶って良かった。』先生は泣いていた。なみだをふいていたハンカチは花子ちゃんとおそろいの桜の花びらのもようとハンカチだった。あっ!私はスカートのポケットに手を入れた。そこには5年生にもらったあまった桜の花のブローチがあった。これを花子ちゃんにプレゼントしょう。きっと喜んでもらえるはず!「花子ちゃん。このブローチあげる。桜の花のブローチだよ。」

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