第7話

いよいよ3月17日。卒業式の日がやってきた。私はいつもより早く起きて、卒業式のために買った、制服風のブレザーとワイシャツとチェックのカートを着て、スカートと同じチェックのリボンをワイシャツのえりのところに付けた。6年間使った赤いランドセルを背負い、学校に向かった。学校に着くと、私はすぐに保健室に行った。保健室には森川先生と、セーラー服を着た花子ちゃんがいた。先生が、「すみれちゃん。いよいよだね。合唱、がんばってね!」と言った。そして、花子ちゃんが私の前に来て言った。『すみれちゃん。ずっと、すみれちゃんに伝えたかったことがあるの。』

花子ちゃんは、少し下を向いて顔を赤くして言った。『すみれちゃん、由紀ちゃん、本当にごめんなさい。私意地悪するつもりはなかったの。6年生のみんなを見て、うらやましくて⋯。本当にごめんね。そして、すみれちゃん。こんな私におこったりしないで、卒業式をやろうって言ってくれて、ありがとう。由紀ちゃん、いよいよ15年前のいっしょに卒業するっていう約束が果たせるね。』「ええ。」先生はうなづいた。そして、「すみれちゃん、そろそろ時間よ。私は会場で侍っているから。最高の卒業式にしてきてね。行ってらっしゃい!」と言った。私は「はい!!」と言い、保健室を出て、教室に行った。

教室に入ると、5年生が来ていて春日ちゃんや、みんなが桜の花の形の手作りのブローチを服に付けてもらっていた。そして私も付けてもらった。すると、5年生の女の子が、「何か1つ多かったみたい。誰かもう1こほしい人いますかー?」と言ったので、私はもう1つもらい、スカートのポケットに入れておいた。担任の山村先生が教室に来て、「いよいよ卒業式です。つまり、今日で小学生は最後です。4月からは中学生になります。6年間の最後の思い出を作ってきてください。では、体育館へ整列して行きましょう。」と言った。私達6年生は教室を出て、体育館へ向かった。

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