第29話

ある日俺は急に琉叶に呼ばれて琉叶の家に行った













「俺決めた!今夜桜ちゃんに告白する!!」

と琉叶はそう言った。俺はまだ告白の決意ができなかった。お互い恋のライバル同士だが、俺も焦った。

「お前は告白しねぇーのかよ?」

と琉叶は不思議そうに俺を見る。



















「俺も……したいよ……」










「もし俺が告白成功して俺と桜が付き合ったらどーすんだよ?」

と琉叶は俺の胸ぐらを掴んできた。

「急に……なんだよ……!!」

俺は琉叶の目を見る。すると琉叶は悲しそうに俺を見る。

「またそうやって……我慢していいのかよ?」

「……どういうことだよ……!」















「杉浦さんのときだってそうだろ!お前は我慢しすぎだ!それに桜ちゃんだって……」

「桜がなんだ?」

俺がそう言うと琉叶は俺から手を離し頭を掻きむしる。

「あーもう!くっそ!!」

「だからなんだよ……?」

「桜ちゃんとお前を見てると桜ちゃんが見たことないくらい幸せそうに笑ってるんだよ!」















「……!」

それは俺が琉叶に対して思ってたことでもあった。

「俺はあんな顔させられねぇーし……さっさと行けよ……」

「……!」

「じゃねぇーと俺が桜ちゃんもらっちゃうぞー?」

「それだけはさせねぇ!」

「……ほらいってこい!!」

と琉叶は俺の背中を強く押した

















「琉叶……」

「俺たちの絆は強いんだぞ?」

「いってくる!」
















俺は無我夢中に走って桜の働く居酒屋に向かった。

















「桜!!」




















そこには暖簾を片付けようとしていた桜がいた。俺は桜を思い切り抱きしめる



















「蓬莱さん!?ちょ……!!」


















「俺はロマンチストでもないし、ムードの欠片もない……だけど誰よりも桜が好きだし……大切にしたい……!!」















俺は桜の前髪をかきあげておでこにキスをした

















「……!!」

すると桜はみるみる赤くなり

「……私も……すきです……」















桜はそう言うと赤くなりながら笑顔でそう言った
















「もう……言うの遅いですよ……!!」


「あはは!ごめんごめん」

















「これからもよろしくな」

「こちらこそです














智さん」

















「あ!今智って言った!!」


「い、言ってません!!もうバイトの邪魔です!!」


「もう〜はやく帰ろ〜?」



「じゃあ今日もアレ奢ってくれますか?」






















「「バニラかチョコのアイス」」







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