第24話

「ちょ!智さん!!」




















俺を呼ぶ声を無視してあの子の元へ向かう

















「あの……どうかしましたか……?」

女の子は俺を上目遣いで見る

















「お!智じゃん!!」

と俺と女の子の間に立ったのは

「琉叶!久しぶりだな」

「宮崎さん!こんばんは!」

「あ!桜ちゃんだ〜」

琉叶と女の子は仲良く話している。

「あ、紹介するね!俺の高校のときのチームメイト!蓬莱 智!」

芹澤 桜せりざわ さくらです……今大学1年生です……」



















これが俺と桜との出会いだった


















あの日から俺は桜と仲良くなった。一緒にバスケもしたり、時には桜が働いている居酒屋にも琉叶と行ったりした。桜は厨房で働いていて調理を担当していた。



















「智〜。桜ちゃん可愛いだろう?」

「おい。琉叶飲みすぎ」

「お待たせしました!きのこのマヨネーズ炒めです!って……宮崎さんまた酔いつぶれてる」

「本当に厄介だよな」


















「蓬莱さんって本当によく笑いますね」


















俺は琉叶とただ桜の話をしていた。だけど人を想うことでこんなに感情が変わるのは初めてだった。桜はそんな俺を見て明るいと言った。


















「智……」

「……?なにか言いました?」

「これからは智って呼んで?」

「わ……分かりました!」

「それとこれ」



















俺は電話番号が書かれた紙を桜に渡しえのきのマヨネーズ炒めを食べた。
















「連絡しますね!」

桜を見ると頬を赤らめながら言った。その顔がどうしようもなく愛おしく見えた。















「ラストまで俺居るから」


















俺は桜の頭を撫でる

















なぁそんな顔をしてるってことは俺期待していいのかな
































今度こそ好きな人をこの手で守ってみせる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る