第25話

結局あの後琉叶が酔いつぶれて夢の中へ行ってしまい俺は琉叶をおぶって桜と一緒に帰ることにした。

「ん〜もう食べれねぇ〜」

「宮崎さん寝言……」

「本当にコイツは昔からこんな感じなんだよな……」

「ふふふ。2人とも本当に仲が良かったんですね!」

「こいつこう見えてキャプテンだったんだぜ?」

「えー!そうなんですか!?」

「あ!星!」

「あぁ。そうだな」

「今日も空が綺麗ですね!」

俺は桜に言われるまで気づかなかった。いつも上を向いて歩くことを忘れていたこと。身近のものに目を向けること。

俺と桜は会話を弾ませながら帰り道を歩いた。
























「いらっしゃいませ!」

「おお!蓬莱くんじゃないか!久しぶりだね!」

「こちらこそ!この前は車の購入ありがとうございました!」

先週車を新車に切り替えたお客さんの野中 英世のなか ひでよさんは保険会社に務めているのだが、よくこの店に顔を出してくれる。部下が車を買いたいと言っているのだがどれをオススメするべきか?や車の修理の話などよく車のことを聞きに来てくれる。

「最近表情が柔らかくなったね?彼女できたんじゃない?」

とニヤニヤしながら俺に聞いてくる。

「いや!違いますって!……片想いですよ……」

「いやー!蓬莱くんが片想いか!!君が告白すれば落ちない女の子はいないんじゃないの!?」

「なに言ってるんですか!?」

俺はこの仕事をしてるおかげで色んな人間関係がつくれるからここにいてよかったなと思う。



















そんな俺に電話がかかってきた

「お疲れ様です!芹澤です!」

「桜!?久しぶりだね。どうしたの?」

「今日の夜バスも来ますか?」

「うん。行くよ。仕事も今日もはやめに切り上げてくから」

「そうなんですね!楽しみにしてます!」

「桜は大学の勉強しっかりね」

「はい!頑張ってきます!あ、友達が来たのでまた!」

「うん。またね」


















桜は真面目だけどどこかいつも抜けてる

それに表情も豊かで何事にも楽しんでやる

















桜を見てると俺は自然と心が温かくなった
















「蓬莱さーん!はやくはやく!高校生たちの練習始まっちゃいますよー!?」

「わかったよ〜!いきますよー」

俺は口元が緩くなり桜の元へと走る















「なにかいいことありました?」

「ん?なんで?」

「だって笑ってますから!」

「んーあったよ。でも言わないよ?」

「えー!教えてくれてもいいじゃないですか!」

「あはは!言いませーん!」

「あ!逃げた!!」

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