第23話

電話を取った翌日俺はなぜかパチンコ屋に呼ばれた。

「こんにちは……?」

「おぉ!よく来た!」

「久しぶりだな」

蛯名先生と青木先生は手を休めることなくパチンコでスロットを回す。ってどういう状況だ!と口に出さなかった俺は偉いと思った。

「昨日の件ですが……」

「よっしゃ!あたった!」
















「だから話聞いてー!!」
















「青木先生ももう歳だし、外部コーチからってなるとお前が適任だと思ったんだ」

パチンコ屋から離れ近くのカフェに3人で来た。

「いや……それって俺で大丈夫ですか?」

「お前だからいいんだよ」

と青木先生は真剣な眼差しで俺を見る。それは高校生以来に見る顔だった。

「わ……分かりました。やってみます!」

「ありがとうな」

青木先生はそのとき初めて優しい笑顔を俺に見せた。その表情が俺にとって悲しくなるくらい優しい笑顔だった。

「俺もまた新任であっちに行くからサポートよろしくな」

と蛯名先生は言った。
















俺はあの日以来車とバスケの勉強にバイトに励んだ。俺はあの二人に頼られて正直嬉しかった。あの二人にいいところを見せたい。その一心だった。



















「おい!そこはこの動きじゃないととられる!」

俺は基本的にセンターポジションのスキルコーチを任された。俺もやっていたので動きや気持ちがよく分かる。指導することやなにを練習させるかは毎日考えているのだが、やはりいつになっても難しい。俺はこのとき富美大学を卒業して車のメーカーのところで働いていた。販売兼修理を任されていた。俺は仕事を頑張り、成績は店の中でほぼ上位で副店長を任されていた。



















「お疲れ様。今日はここまで」

蛯名先生の声と共に選手たちは体育館の端に座り込む。

「大変だよな。よく頑張ったよ。」

「智さん!!ありがとうございます!!」

やはり高校生と関わると俺も若返るような気がした。それに楽しいし、男のノリもあるのでとても楽しかった。











体育館の入れ替えの時間多くの一般の人が入ってきた。










その中で1人の女の子に俺は目を奪われた





















「智さーん?あ、もしかしてさくらさんのこと見てます?」

と俺を冷やかしに来た高校生が俺の耳元にそう呟いた。

















「桜って言うんだ……」




















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