第15話

「この度は私のせいでチームにご迷惑をおかけして……すみませんでした……」

しのぶ先輩が病室でチームメイトに謝った。

「いや!あれは俺が悪かったんです!!」

俺が動画を撮られてしまったのも責任がある。だけど誰のせいでもないのは事実だ。しのぶ先輩も俺と被害者だ。俺はどうしようもない怒りを拳にこめた。だけど俺たちが1番辛かったのは誰も俺たちの味方をしてくれない。






















あの事件から蛯名先生は悪質な行動を生徒に指示したという濡れ衣を被せられ解雇された。

「ごめんなぁ……お前たちを守れなくて……」

俺はこのとき自分が無力だということを初めて知った。




















俺はあのあと警察に訴え続けたが警察は捜査も引き受けてくれなかった。俺は学校で企業の説明会がある度全て参加して社長と仲良くなり、いざというときに助けになってくれるという約束をしてくれた。



















高2の春俺は相変わらずバスケに力を注ぎ込んだ。誰もが見るバスケバカに俺はなった。きょも朝練のため自転車を爆速で漕ぐ。だが……

「おい!そこの自転車!自動車より速く進むとはどういうことだ!!」

「やーい田嶋たじまさーん!俺のことを捕まえられるなら捕まえてみな!」

近所の交番の田嶋さんと毎日いたちごっこをしていた。しかしこれがとてもいいトレーニングになるのでちょうどいい。田嶋さんにたとえ捕まえられても注意だけだし、どうやったらそんなに速く漕げるんだよって言われるだけだ。

























学校に着き授業を受け、部活をする。その帰りは



















久遠くおんのばあちゃん!まだ空いてるー?」

俺は部活終わりに駄菓子屋に通い、この駄菓子屋の店主の久遠さんに毎回家に帰るまでの間食を頂いてる。

「おぉ、よく来たねぇ蓬莱くん。ちょうどもんじゃ焼きができたけ。食べていくかい?」

「いるいる!」

久遠のばあちゃんとの出会いは俺がたまたま夜遅く部活帰りに夜遅くまで灯りのついてる駄菓子屋が珍しいと思ったら久遠のばあちゃんが店をやっていたから話かけてみると面白くて俺はほぼ毎日通っていた。それに俺以外の男バスもよくくるからたまにみんなでメンコやアイドルの写真集など学生らしい青春をここで送っていた。久遠のばあちゃんにいつも夜遅くまで申し訳ないと言っているが、久遠のばあちゃんは孫が夜遅くまでいるから俺たちがいてもいいと言ってくれた。それに久遠のばあちゃんは頭が良くて若者の流行りもわかるくらいグローバル化している。だけどこの駄菓子屋は戦争くらいのときからあったらしくて古いままだった。そんなしんみりとしたこの駄菓子屋が俺たちは大好きだった。


















「相変わらずうめぇなぁ!!ばあちゃんの手作りは!」

「こらこらそんなに急がなくてもごはんは逃げていかんよ」

「だって美味しいからさ!」

あの家の食事は美味しいとは言えない。ここに来れば美味しいものも食べれて俺は幸せだ。間食を済ませ俺は夜遅くにチャリを漕ぎ家に帰りある程度ごはんを食べお風呂に入り勉強する。姉ちゃんは大学に通いはじめたが、この家にはお金がないということはわかっていたから俺は推薦からの奨学金狙いで大学受験を考えていた。


















しかし俺には将来なにをやりたいのかはイメージできていなかった

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