第5話
あのあと俺は遊び疲れて寝てしまっていた。学校のあとから旅行という怒涛のスケジュールだった俺は気づいたら旅館の布団の中だった。
「ん……あれ?父さん……」
父さんは俺の隣で寝ていた。時間を見るともう朝に近い時間だった。。当たりが少し明るくなっている。
「いつもありがとう……」
俺は父さんの目のクマを擦りながら小声で言った。
俺は目が冴えてしまって、ベランダに出るとそこには瑠璃色の空が俺の上をまんべんなく彩っていた。
「すげぇ……綺麗……!!」
俺はこの空が頭から離れることは一生なかった。
3年後
「姉ちゃん、起きて。」
「ん……ってもう遅刻するじゃない!!」
俺と姉ちゃんは中学生になった。姉ちゃんはあの事件以来受験勉強をぴしゃりとやめた。あんなクソ教師の考えになるなんてうんざりだと言っていた。俺と父さんが箱根旅行中母さんと交渉して高校受験で頑張ると言い常に勉強していた。俺も教師に中学受験できると言われたが、俺も姉ちゃんと同意見でやめた。俺と姉ちゃんは頭脳も運動も容姿も通ってる学校の中では相変わらずナンバーワンだった。しかし俺と姉ちゃんの違いというと俺は売られたケンカを買うようになったこと。しかし家族の悪口やいじめを止めるためにやっていて、最近俺のことをわかってくれる人が周りで増えてきた。教師たちの信頼も得た。
「智〜李理香お姉ちゃ〜ん、はやくー」
と俺と姉ちゃんを玄関から呼んでる達也。俺たちは中学生になってから3人で登校するようになった。姉ちゃんが異常にモテるから姉ちゃんが2人に壁になってもらいたいって言ってきた。とりあえずお互い約束して登校する人もいないから俺とたつやは毎日姉ちゃんと一緒に登校した。桜が舞う4月。俺と姉ちゃんと達也は3人並んで登校する。その時俺の肩に誰かがぶつかった。
「っ……てぇな!!」
と俺は叫んだ。本のような固いものが俺の肩にぐさりと当たった。するとそこには倒れた女の子がいた。さすがの俺でも女の子には優しいので
「ごめんね……立てる?」
と俺は女の子に手を貸す。その子を見たとき目はパッチリしていた、髪の毛はストレートでこの人こそヤマトナデシコだと俺は思った。
「ご……ごめんなさい!!あ、ありがとうございます!!」
俺はこのとき「女でもこんなにいい子いるんだな」って思った。
しかしこの出会いが彼女を苦しめることになるなんて思わなかった。
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